あなたは“腸活”を実践していますか? アンケートでは、「腸活を実践したいと思っている」人が半数近い結果に。
健康と美容にとって重要な腸活。みなさん気になっているようですが、同時に「腸活がよくわからない」という人も3割ほどいるのが現実です。
<アンケート結果のグラフ>
(全国女性20代~50代 612名、ビオフェルミン製薬調べ2019年7月)
腸活とは、ひとことで言うなら「腸内フローラを整える活動」です。腸内フローラとは、腸内にすんでいる腸内細菌の集まりのことを指します。腸内にいる菌のうち、“体にいい菌”である善玉菌の割合が高いと健康的で、老化も抑制されるといわれています。
では、“腸活”は具体的にどんなことをしたらいいのでしょうか?
大切なのは、バランスのいい食事をすること、適度な運動を心がけること、ストレスをためないこと、そして質のよい睡眠をとること。つまり、生活習慣を整え、自律神経のバランスを整えることが基本です。
中でも、毎日の食事は何よりの腸活。「ビフィズス菌・乳酸菌などの善玉菌」と「ビタミン」は特に欠かせません。
「ビフィズス菌・乳酸菌」をとって善玉菌を優位に
人の腸内には約1000種類、100兆個の細菌が生息しています。体にいい働きをするものは善玉菌(ビフィズス菌や乳酸菌など)、悪い働きをするものは悪玉菌、どちらか優勢なほうに加勢するものは日和見菌と呼ばれています。この、体にいい働きをする善玉菌を増やそうとするのが“腸活”です。
ビフィズス菌は主に大腸に、乳酸菌は主に小腸にすみつき、悪玉菌の侵入や増殖を防いだり、腸のぜん動運動を促すことでお腹の調子を整えます。一方、悪玉菌は脂質や動物性たんぱく質を好み、この菌が増えると便秘や下痢などでお腹の調子を悪くすることも。
腸の善玉菌を増やす方法はふたつ。ひとつは生きた“善玉菌”(=プロバイオティクス)をとること。納豆や漬物、ヨーグルト、乳酸菌飲料を積極的にとり、これらに含まれる善玉菌を腸に届ける方法です。
そしてもうひとつは、善玉菌のエサとなる成分(=プレバイオティクス)を積極的にとることです。おもに、大豆やバナナ、玉ねぎなどに含まれるオリゴ糖や、野菜や果物、豆類などの食物繊維を指します。このふたつをセットでとることをシンバイオティクスといい、腸活に効果的です。
ビタミンで腸をより元気に!
ビタミンには13種類あり、体内でそれぞれ重要な働きを持っていますが、腸内環境の整備にとくに深く関わっているのが、ビタミンC、ビタミンB2、ビタミンB6です。
■ビタミンC:柑橘系の果物やブロッコリーなどに含まれる。抗酸化作用に加えて、悪玉菌の増殖を抑える効果がある。
■ビタミンB2:ウナギや牛乳、納豆などに含まれる。ビフィズス菌の増殖を促進する働きがある。
■ビタミンB6:赤身の魚や、ヒレ肉やささみなどの脂が少ない肉類に多く含まれる。善玉菌の生育にかかわる。
なお、ビタミンC、ビタミンB2、ビタミンB6は水溶性ビタミン。尿などで体外に排出されやすいので、毎日きちんととることが大切です。また、加熱やゆでこぼしによって失われやすいので調理法にも注意が必要。たとえば、ビタミンCが豊富なブロッコリーなどの野菜は、ゆですぎると栄養が失われるので、蒸し器で蒸すか、電子レンジを使って調理するのがおすすめです。
乳酸菌やビフィズス菌はヨーグルトや納豆、漬物などの発酵食に多く含まれます。また、ビタミンCは野菜や果物に、ビタミンB群は肉や魚、乳製品、豆類に多く含まれています。腸活には、偏ることなく、いろいろなものをバランスよくとること。さらに「ビフィズス菌・乳酸菌」と「ビタミン」を併せてとれば、より良い腸活になるというわけです。
こうした栄養は食事から摂取するのが基本ですが、難しい場合はサプリメントなどを利用するのもいいでしょう。
イラスト/かくたりかこ 原文/上田恵子