大腸のつらい2大症状、
「下痢&お腹の張り」にさよならしたい!
お腹のトラブルに悩んでいる人にとって切実な10の疑問にお答えしていきます。
Q-1
繰り返す下痢…。
お腹の中では何が起こっているのでしょうか?
下痢とは水分が多く、液状に近いまま排出される便のこと。食べた物は胃で分解され、小腸で栄養分が吸収され、大腸に送られます。ここで残っている水分が吸収されて、便となって排出されます。通常の便の水分量は 70〜 80%。なんらかの原因で水分の吸収が十分にできず、 80%以上になると軟便や下痢に。基本的に内容物が腸に長くいるほど便は硬くなり、早く通り過ぎると、水分調整が追いつかずに水分の多い便=軟便や下痢になります。
Q-2
下痢はどんな原因で起こるのでしょうか?
下痢には、その原因が外から入ってきた物によるものと、体内に起因するものの2種類があります。前者は食べすぎや飲みすぎ、食中毒などのほか、牛乳を飲むとお腹を下す乳糖不耐性の下痢もこれに当たり、多くは急性的に起こります。後者はストレスなどによる「過敏性腸症候群(IBS)」や腸の炎症など、腸の病気が考えられ、慢性的な下痢の多くはこれに該当します。
Q-3
慢性的に下痢が続いています。
放っておいても大丈夫?
下痢が3〜4週間以上も続く、または繰り返し起こるといった場合は、一度、医師の診察を受けることをおすすめします。消化吸収障害、大腸粘膜の過敏や慢性炎症、アレルギー性などたくさんの原因があり、これらが重なって下痢が起こることも。ほかに慢性膵炎など、ほかの病気の一症状、糖尿病の合併症、薬の副作用による腸内の炎症なども考えられます。なかでも血便や発熱を伴う場合は、深刻な病気かもしれないので、一刻も早く病院へ。
Q-4
電車に乗ると必ず便意が起きるのはどうして?
電車に乗ったり、仕事の重要なシーンなどで決まって便意をもよおして困る…といったことは、意外に多くの人が経験しているようです。ほかに隠れた病気がなければ、「過敏性腸症候群」かもしれません。日本人の約 20%、5人に1人はかかっている可能性がある、とても身近な病気。ストレス性の下痢のイメージが強いのですが、ほかに便秘、便秘と下痢を繰り返すなど、さまざまな症状があります。
次回は、下痢のときはどんなものを食べたらいい? ほか、Q&A Part2をご紹介します。
イラスト/ミック・イタヤ 取材・文/山村浩子