頭痛があって当たり前と思っていませんか? 実はその痛み、ちょっとした工夫で治せます。今こそ頭痛生活にさよならを!
今回の話を伺った先生
頭痛専門医。「富士通クリニック」「東京クリニック」で頭痛外来を担当。日本頭痛学会理事を務めながら、頭痛専門医を育成、頭痛医療の研究と成果を国内外に発表
頭痛のない快適な生活はきっと手に入ります
頭痛に悩んでいる人は、OurAgeの不調に関するアンケートでも上位にランクインする結果に。
「私の頭痛外来にも多くの女性がやってきます。しかし、受診するのは頭痛持ち全体のわずか3割といわれています。つまり7割は痛みが起こっても、“つき合っていくしかないもの”とあきらめているのです。しかし一度、治療で頭痛が改善すれば、その快適さに感激しますよ」と五十嵐久佳先生。
中には「頭痛が当たり前だった今までの数十年間をやり直したい!」と言う人もいるそう。
自分の頭痛を知ることが、改善の第一歩!
「原因となるほかの病気がない頭痛を一次性頭痛(慢性頭痛)といいます。それにもタイプがあり、薬の種類や対処法が異なります。例えば、緊張型頭痛は筋肉の血流が悪くなることで、片頭痛は脳の血管が拡張することで起こります。よって、緊張型は入浴や体操で改善するのに対し、片頭痛は痛みのあるときに行うと悪化してしまいます」
まずは自分の頭痛はどれなのかを知ることが第一歩。正しく対処して、頭痛のない快適な生活を取り戻して!
あなたの頭痛はどのタイプ?
改善は自分の頭痛タイプを知ることから。また、命にかかわる危険な頭痛もあるのでチェックしておきましょう。
脳血管をとり巻く三叉神経(さんさしんけい)の刺激により、血管が拡張して起こります。特にストレスから解放されたタイミングや、エストロゲンが減る月経前・中や更年期に増える傾向が。痛むときは薬で抑え、患部を冷やし、光や騒音を避けて安静に。
〈症状〉
- ● 頭の片側か両側が、脈を打つように痛む
- ● 月に2~4回発症する
- ● 光や音が気になったり、吐き気がする
- ● 頭痛のときに体を動かすとひどくなる
同じ姿勢を続けたり、精神的ストレスなどで、筋肉や神経が緊張し、血流が悪くなることが原因。ストレスを受けているときや疲れたときに痛む傾向が。ストレッチやマッサージ、入浴、患部を温めるなどで、血行改善を心がけて。
〈症状〉
- ● 頭全体が締めつけられる痛み
- ● 首や肩のこりを伴う
- ● 疲れやストレスがあるときに起こる
- ● 入浴や軽い運動で軽くなる
片頭痛と緊張型の両方を持つ人もいます。普段から頭が重くすっきりしない状態が続き、月経中などに波打つような強い痛みがあるケースなど。
〈症状〉
- ● 片頭痛と緊張型頭痛の特徴がある
- ● 頭痛のない日が少ない
片側の目の奥からこめかみにかけて、目をえぐられるように激しく痛みます。季節の変わり目などの1~2カ月間、毎日のように、1回1~2時間続きます。痛みがある時期には医療機関を受診して、適切な治療を。飲酒を避けることも大切。
〈症状〉
- ● ある期間、ある時間帯に激痛がある
- ● それが過ぎると治まる
- ● 痛む側の目の充血、涙が出る
- ● 痛む側の鼻水、鼻づまりがある
ある日突然、経験したことのない激痛を感じたら要注意。バットで殴られたような激痛なら「くも膜下出血」、手足のまひ、ろれつが回らないなら「脳腫瘍」「脳出血」かも。一刻も早く病院へ!
〈症状〉
- ● 経験したことのない激痛
- ● 嘔吐、手足のまひ、意識混濁がある
片側の頰や口のまわりが痛む「三叉神経痛」、頭を保護する髄液の不足で起こる「低髄圧による頭痛」、ほかに、目や鼻の病気、歯の嚙み合わせ不良、うつ病からくる頭痛なども。これらは元の疾患を治療するのが先決です。
イラスト/しおたまこ 構成・原文/山村浩子