タンパク質にはあまり知られていいませんが、味を感じる機能や、不調や睡眠の質を改善 させる作用などもあります。タンパク質の働きを知れば知るほど、不足しているといかに残念かわかりますね。
今回の話を伺った先生
上西一弘さん
Kazuhiro Uenishi
女子栄養大学栄養学部教授。大学のゼミでは選手のパフォーマンスが上がり、勝てる体をつくるためのスポーツ栄養学を研究し、指導にあたる。著書に『新しいタンパク質の教科書 健康な心と体をつくる栄養の基本』(池田書店)など
甘味などの味を感知するのもタンパク質の働き!
あまり知られていませんが、味を感じるのもタンパク質の機能のひとつ。
「舌表面には、味を感じるための味細胞があり、その表面にあるのが“受容体タンパク質”です。
この受容体タンパク質が、甘味、苦味、旨味などの特定の味の物質を受け取ると、その情報を電気信号として脳細胞内部へ伝え、これによって味を感じるのです」
ラクトフェリンなど不調を改善するタンパク質も!
タンパク質の中には、不調を改善させる作用があるものも。
「そのひとつが母乳などにも含まれるラクトフェリンで、内臓脂肪を低減する作用などがあることがわかっています。市販のヨーグルトなどでもとることができます。
もうひとつが、牛乳などに含まれるMBP®︎。骨を丈夫にする作用があり、特定保健用食品などで摂取できます」
内臓脂肪を減らすのを助ける、機能性表示食品。腸まで届ける ナイスリムエッセンス ラクトフェリン 93粒 ¥6,060/ライオン
MBP®︎がとれる特定保健用食品。毎日骨ケア MBP®︎ 50㎖×10本×3箱 ¥5,059/雪印メグミルク
睡眠の質を高めたければアミノ酸「グリシン」を
睡眠の量と質を改善するといわれているのが、アミノ酸の“グリシン”。
「グリシンをとると足の表面体温が上昇して熱の放散が促され、それにより深部体温がスムーズに下がるので、寝つきやすくなります。
また、グリシンにはすみやかに深い眠りに到達させ、眠りの深い時間を増やす効果も。エビや帆立、カニ、イカなどに含まれます」
イラスト/二階堂ちはる 取材・原文/和田美穂