美肌に、ダイエットに、とタンパク質は目的に合わせてとり方を変えれば、より効果が実感できます。タンパク質・炭水化物・脂質のバランスを覚えて、美と健康をキープ!
今回の話を伺った先生
上西一弘さん
Kazuhiro Uenishi
女子栄養大学栄養学部教授。大学のゼミでは選手のパフォーマンスが上がり、勝てる体をつくるためのスポーツ栄養学を研究し、指導にあたる。著書に『新しいタンパク質の教科書 健康な心と体をつくる栄養の基本』(池田書店)など
美肌に!
肉で脂質をとりすぎると、
コラーゲンの合成が妨げられるのでNG
美肌にタンパク質が重要だからと、とにかく肉を食べればいいわけではありません。
「肉の脂身をとりすぎて体脂肪が増えると、コラーゲン作りにかかわるホルモンが減り、合成が妨げられる可能性が。ですから高タンパク・低脂質のものをとるのがおすすめです。
また、コラーゲンのおもな成分は、非必須アミノ酸のグリシンとプロリン、プロリンから作られるヒドロキシプロリン。その合成にはビタミンCが必要なので、ビタミンCを一緒に補うとより効果的です」
POINT 1
高タンパク低脂質の食品を選ぶ
脂質のとりすぎはコラーゲンの合成を妨げるので、低脂肪のタンパク質を選ぶのが正解。例えば、鶏胸肉やささ身などのほか、牛肉なら赤身を。また、豆腐や納豆などの大豆製品もおすすめです。
POINT 2
コラーゲンの合成促進には、ビタミンCを
コラーゲンの原料のひとつであるヒドロキシプロリンを合成するのにビタミンCも必要。柑橘類や、いちご、パプリカ、じゃがいも、ブロッコリー、かぼちゃなどに多いので、組み合わせてとって。
ダイエットに!
タンパク質15%、脂質25%、炭水化物60%がベスト
痩せたい場合は、タンパク質(P)、脂質(F)、炭水化物(C)の割合=PFCバランスを考えてとるのがポイント。
「理想のバランスはP15%、F25%、C60%。この比率を守って摂取カロリーを抑えれば健康的に痩せます。
ただ、厳密に計算するのは大変なので、これを目安になるべくタンパク質を多めにとるようにすればOK」
POINT 1
PFCバランスを考えてとる
健康的に体重を落とすならP=15%、F=25%、C=60%がベストバランス。例えば、ご飯1杯、味噌汁、サバの塩焼き、ひじきとこんにゃくのあえ物といったメニューだと理想のPFCバランスに。
上の円グラフが理想のPFCバランス。1食600kcalなら、タンパク質90kcal、脂質150kcal、炭水化物360kcalに
POINT 2
高タンパク低脂質で腹持ちがいいものを
タンパク質は食べることで消費されるエネルギーが高く、太りにくいのでダイエット中も摂取を。高野豆腐など高タンパク低脂質で腹持ちがいい食品をとり、高カロリーになりがちな間食を減らして。
イラスト/二階堂ちはる 取材・原文/和田美穂