いつまでも変わらない美声と聞かれて思い浮かぶ、透き通った心地よい高音ボイスが魅力の森山良子さんですが、40代後半から50代にかけ急に声が低くなった、かすれてきた…といった声の老化を感じたそう。その時になさった対策をお伺いしました。
定期的なボイストレーニングと
寝るときもマスクでのどの潤いをキープ!
いつまでも変わらない美声、といえば、透き通った心地よい高音ボイスが魅力の森山良子さんです。
衣装/本人私物
森山良子さん(歌手) Ryoko Moriyama
1948年生まれ。1967年「この広い野原いっぱい」でデビュー。その後、「禁じられた恋」「さとうきび畑」「涙そうそう」など数々のヒット曲が。
「声を出すのが仕事ですから、ボイストレーニングは欠かせません。先生は私が14歳の頃からのおつき合い。
新型コロナウイルスのステイホーム中はお休みしましたが、今も同じ先生にレッスンを受けています。
先日、再開して、久々に先生の前で声を出せたことがとてもうれしかった」
そう言って、発声練習さながらに「ホー、ホー」と、美しい声を披露してくれました。奥行きのある森山さんの声が響き、空間を温かく包みます。一般人の私たちにとっては、あまりなじみのない発声法のよう。
「そうね。のどから胃のあたりまでに、太い筒が通っていると思ってみてください。
息を吸うときも、吐きながら声を出すときも、その筒を同じ太さに保ちます。
そして頭のてっぺんから声を出すイメージですね。
腹式呼吸はお腹をふくらませますけど、それだけじゃなく、背中にも息を吸い込むイメージが大切なんです」
実際に、森山さんが息を吸うところを見ていると、肺の背中側もかすかに動いているのがわかります。
犬の全身呼吸は「肺活」エクササイズに最適!
「あるとき、友人の愛犬が散歩から帰ってきたら、ハーッハーッと全身の筋肉を使って呼吸をしていたんですね。
それを見たとき、動物ってすごい、と。自然に、全身の筋肉を使って呼吸しているの。
あれが“肺活”にいいんですよ(笑)」
こうした呼吸法と声帯の使い方が身についていると、のどに負担がかからないのだといいます。
「歌なら、2時間のコンサートも楽に歌い続けられます。
おしゃべりだと疲れちゃいますけどね(笑)」
2時間も歌い続けられる強いのど、美声を長年保っている森山さんの“肺活”、ぜひ知りたいです!
「のどはやっぱり保湿が大切なので、新型コロナウイルスの感染拡大以前から、外出時や寝るときには必ずマスクをしています。
首と背中を冷やさないことも大切なのでストールも必需品ね。
そして、しっかり睡眠をとること」
のどにいい飲み物なんてありますか? という質問には、くすっと笑って
「芋焼酎?(笑)」。
「ライブの前を除いて、毎晩、“酒活”は欠かせません(笑)。
声にいいこと、とは別ですけど。
やりたいこと、楽しいことはやらないとね!」
人と会うことが少なくなり、声を出す機会が減っているときだからこそ、声を出すこと、特に歌うことをおすすめしたい、と森山さん。
ステイホームの時期も、森山さんはラジオの生放送に変わらず出演していました。
「普段はミュージシャンを招いて一緒に演奏していたんですが、あの時期は一人でギターの弾き語りをしていましたね。
歌を歌うと、いっぱい息を吸っていっぱい息を吐きますよね。
これが精神衛生上、とってもいいんです。
落ち込んだときも、歌っているうちに、心が軽くなることってありませんか?
声を出すことで、胸にたまったマイナスなものも、一緒に吐き出されるのかもしれませんね」
コロナ以前からのどの保湿のためにマスクは必需品
のどの保湿のために、以前から外出時や寝るときにはマスクをしていたという森山さん。
「ステイホームのときにたくさん手作りしたのですが、みんな人に差し上げてしまって。これは友人からのプレゼント。刺繡がかわいいでしょ?」
コンサートも再開!あの歌声がまたホールに響きます
「また皆さんの前で歌えることが、うれしくてたまりません」と満面の笑顔。
森山良子コンサートツアー 2021年1月15日(金)Bunkamura オーチャードホール(東京)
1月29日(金)大和市文化創造拠点シリウス メインホール(神奈川)
今後のスケジュールは、ホームページのコンサート案内からご確認ください。
撮影/玉置順子(t.cube) ヘア&メイク/小野明美 取材・原文/山村浩子