このエクササイズは最初はきついかもしれませんが、練習をすることで必ず肺活量は増えていきます。たくさんの酸素を取り入れる深い呼吸法を身につけて、免疫力強化に繋げましょう。
教えてくださるのは
田村麻子さん
Asako Tamura
ソプラノ歌手。国立音楽大学声楽科卒業、東京藝術大学大学院修士課程修了。マネス音楽院(ニューヨーク)首席卒業。国内外のコンクールにて上位入賞。日韓共催FIFAワールドカップの決勝戦前夜祭「3大テノール・コンサート」に共演。2015年には米大リーグ戦にて外国人歌手として初めてアメリカ国歌斉唱の栄誉を得る。メトロポリタン歌劇場管弦楽団、BBC交響楽団など、国内外で多くのオーケストラと共演、また世界各地の歌劇場で主演を務める。田村麻子さんのホームページはコチラ
※田村麻子さんの提案するさまざまな「肺活」は、OurAgeでも動画で公開中。OurAgeの連載はこちら
Step 3 肺活量を増やすエクササイズ
オペラ歌手でなくとも、誰でも訓練すれば肺活量を増やすことができます。酸素を取り入れ、二酸化炭素を放出することは、生命活動の根源です。
浅い息ではなく、たくさんの酸素を取り入れる深い呼吸法は、血液内の酸素を増やし、血流を促し、健康と免疫力強化につながります。
この肺活は、最初はきつくてできない人もいるかもしれませんが、練習することで必ず肺活量が増えます。日頃、浅い呼吸が気になっている人はぜひ!
息を吸って8秒止め、さらに5回に分けて息を吸う肺活
肺活量を増やすために、息をいっぱい吸って息を止め、8秒数え、さらに息を吸って止めて8秒数え、計約40秒ほど息をホールドする訓練です。肺はどんなに吸ってもまだスペースが残っているので大丈夫! まず胸に息を吸い込み、8秒キープしたら、そのまま上の「肩あたりに息を入れるイメージ」へ。
姿勢を正し、大きく息を吸い込みます。自分がまん丸な雪だるまになったようなイメージで、胸いっぱいに息を吸い込みましょう
息を止めたまま8秒ホールドします。「ワン・ツー・スリー・フォー・ファイブ・シックス・セブン・エイト」と頭の中でカウントを
次に、肩エリアに空気を入れるように吸い込む
すでに胸いっぱいに息を吸っていますが、肺にはまだ空気が入る余地があります。息を吐かずに、そのままさらに肩のあたりに空気を入れるようなイメージで息を吸い込み、キープします。
息は吐かないまま、続けて素早く吸い込みます。息を止めて、「ワン・ツー・スリー・フォー・ファイブ・シックス・セブン・エイト」と頭の中でカウントを
さらに、顔に息を入れるつもりで素早く息を吸い込む
すでに肺はいっぱいでしょうが、さらに可能ならば息は吐かないまま、続けて吸い込んでください。あとひと呼吸、吸える空気を増やしてみて。顔に息を入れるイメージで、息を素早く吸い込んで、息を止めます。
息を吐かずに、さらに顔に空気を入れるつもりで、パッと空気を吸い込み、8カウントを頭の中で数えながら、息を止め続けます
最後の最後に、ダメ押しでもうひと息吸い込んで!
まだできる人は、息は吐かないまま、最後に頭の上に息を入れるつもりで、息を吸い込んでみましょう。人間の肺にはまだ余地があるので大丈夫! 苦しければ、吸い込まずに息を止めることだけ続けてください。
息をパッと吸い込み、また頭の中で8秒カウントして息を止めます。これで肺いっぱいに息を吸い込んで、計約40秒ほど息を止める訓練になります
「しー」っと息を漏らすように吐き、丹田を押すようにして吐ききる
息が苦しくなって我慢できなくなったら、息を吐き出します。過酸素で頭がくらくらする人は無理をせず、できる範囲から始めて。エクササイズを重ねると、だんだん息を止められる時間が長くなっていきます。
息を吐くときは、口をあけていっぺんに吐くのではなく、「しー」っと音を立てるように歯の間から漏らしていき、ゆっくり吐きます
おへそより指3、4本分下にある「丹田」のツボに力を入れるイメージで、お腹をへこませて、息をすべて吐ききりましょう
イラスト/かくたりかこ 取材・原文/黒部エリ