肺炎という病気のイメージってお年寄りがかかりやすいと思っていませんか? 新型コロナウイルスの感染拡大で身近になった「肺炎」について、呼吸器外科医奥仲哲弥先生にお伺いしました。
奥仲哲弥さん
Tetsuya Okunaka
呼吸器外科医。医学博士。山王病院副院長・呼吸器センター長。国際医療福祉大学医学部呼吸器外科教授。専門は肺がん治療で、呼吸法や呼吸筋ストレッチなどの普及にも尽力。著書に『医者が教える 肺年齢が若返る呼吸術』(学研プラス)
現在、日本人の死因の第3位が「肺炎」という事実!
新型コロナウイルスの感染拡大で、改めて「肺炎」の恐ろしさを身近に感じるようになりました。
「コロナ禍以前から、肺炎は日本人の死因の第3位なんですよ。にもかかわらず、これまで肺炎があまり注目されなかったのは、肺が丈夫な臓器で機能の低下もじわじわとゆっくり起こることが多く、心臓病のように直ちに命を落とす危険性が少ないからかもしれません。
肺炎というとお年寄りの病気のイメージですが、最近は若い世代でも罹患するケースが増え、全世代で肺機能が弱っている傾向です。若いスタッフと階段を上っても、私より先に息切れしていることも多い(笑)。肺の機能が低下すると肺炎が重症化しやすいので、日々の“肺活”はとても重要です」
(奥仲哲弥先生)
厚生労働省の調べによると、肺炎は2017年以降は日本人の死因の5位となりましたが、これは肺炎と誤嚥(ごえん)性肺炎を分けて集計するようになったため。そのふたつを合計すると死因の3位になります。
出典:厚生労働省「人口動態統計」(令和元年)
取材・原文/山村浩子