できればなりたくないけれど、あなたも、あなたの大切な人も、いつかはなる可能性が高い「認知症」。
確実な治療や予防もない中、認知症を発症してからも好きなことを続け、明るく暮らしている人たちがいます。認知症になっても生き生きと暮らせる社会づくりへの取り組みも、どんどん増えてきています。
だから恐れないで、しっかり目を開いて知ってほしい「認知症の真実」。私たちの意識が少しでも変わったら認知症の人にとっても、今はそうでない人にとっても、ずっと生きやすい世の中になるはずです。
日本における認知症の人の将来推計
認知症の人は2015年までの10年で1.5倍に増加。2025年には700万人を超え、高齢者の5人に1人に。軽度の人を入れると1300万人となり高齢者の3人に1人にあたります。95歳まで生きると8割の人が認知症になるというデータも。
出典:認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~の概要(厚生労働省)を基に三菱UFJ信託銀行が作成
藤田和子さん
Kazuko Fujita
1961年、鳥取市生まれ。認知症の義母を9年間介護。看護師として勤務中の2007年に若年性アルツハイマー病と診断される。当事者の会を立ち上げ、認知症の人だけでなく、誰もが生きやすい社会を目指し活動中。一般社団法人日本認知症本人ワーキンググループ代表理事。3女の母。著書に『認知症になってもだいじょうぶ! そんな社会を創っていこうよ』(徳間書店)
繁田雅弘さん
Masahiro Shigeta
東京慈恵会医科大学精神医学講座教授。同大学付属病院精神神経科・メモリークリニック診療部長。症状よりも「人」を診ることをモットーとし、問診を重視した診療を行う。著書に『認知症の精神療法』(HOUSE出版)、監修『気持ちが楽になる認知症の家族との暮らし方』(池田書店)
山口晴保さん
Haruyasu Yamaguchi
医師、群馬大学名誉教授、認知症介護研究・研修東京センター長、日本認知症学会名誉会員。脳βアミロイド沈着機序をテーマに30年にわたり病理研究を続け、その後、臨床研究に転向。より実践的な認知症医療・ケアに取り組んでいる。著書多数
堀田聰子さん
Satoko Hotta
「認知症未来共創ハブ」代表。東京大学社会科学研究所特任准教授、ユトレヒト大学訪問教授などを経て、慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科教授、医学部・ウェルビーイングリサーチセンター兼担。日経ウーマン・オブ・ザ・イヤー2015リーダー部門入賞
写真/高橋ヨーコ 取材・原文/石丸久美子