血管をしなやかにして拡張し、正常な血圧を維持してくれる“救世主”的存在「NO(エヌオー)<一酸化窒素>」。この“血管拡張ガス”を簡単に増やす方法を、高血圧治療の第一人者・市原淳弘先生にお伺いしました。
お話を伺ったのは
市原淳弘さん
Atsuhiro Ichihara
東京女子医科大学 高血圧・内分泌内科教授。日本内分泌学会内分泌代謝科専門医。日本高血圧学会理事。高血圧治療の第一人者として、日々患者に向き合う。著書に『食べ方、座り方、眠り方で下がる! 血圧リセット術』(世界文化社)など
NOを出すあの手この手
NOは、ずりずりと血液が流れる刺激(ずり応力)によって、血管内の細胞の穴から産出されます。ウォーキングや鼻呼吸など、NOを増やす方法は日常生活の中にたくさんあるので、まずは気楽に試してみて。
有酸素運動をする
血管の柔らかさを維持するのに必要なのが、“血液を動かすこと”。 それにはウォーキングなどの有酸素運動が最も効果的です。軽度の有酸素運動を5週間続けると上下の血圧が安定し、20週(約5カ月)目からは78%の人の血圧が低下したというデータも!
片鼻呼吸をする
深く鼻呼吸をすることで、肺からのNOの産生がアップ! まずは楽な姿勢で椅子に座って目を閉じます。口を閉じ、鼻から息をゆっくり吸い込み、倍の時間で鼻から吐き出す深呼吸を2~3回行います。
①右手で右の鼻を押さえ、左の鼻からゆっくり息を吸い込み、②吸いきったら両方の鼻をつまんで息を止めます。③次に左手で左の鼻を押さえ、右の鼻からゆっくり細く息を吐き、吐ききったら鼻をつまんで息を止めます。
①~③を2~3回。
【NO(エヌオー)<一酸化窒素>】について詳しくはコチラから
[参考文献]
『食べ方、座り方、眠り方で下がる! 血圧リセット術』(市原淳弘著/世界文化社)、『「治せる高血圧」を見逃すな!』(市原淳弘著/学研プラス)、『高血圧 最高の治し方大全』(市原淳弘共著/文響社)
イラスト/寺田久美 取材・原文/安齋喜美子