健康診断や人間ドック、ただ「なんとなく」受けていませんか? 本当に必要な検査とその意味を理解して、ムダなく賢く“健診”を活用しましょう!
お話を伺ったのは
大竹真一郎さん
Shinichiro Otake
おおたけ消化器内科クリニック院長、消化器専門医。高校中退から医師を目指すという異例の経歴を持つ。歯に衣着せぬ発言で、テレビやメディアでも活躍。著書多数
「健診しっぱなし」していませんか?
「健康診断は、がん検診も含めてあくまで何も症状がない“健康な人”を対象に、症状のほとんどない生活習慣病や早期がんを見つけるために行います。すでに調子が悪いところがあるのなら、健診ではなく病院で診察を受けてください」と語るのは大竹真一郎先生。
例えば、メタボ健診は内臓脂肪の蓄積(腹囲測定)、高血圧、脂質異常、高血糖など、動脈硬化になる危険因子がないかを調べるもの。その最終目的は、将来これらのリスク因子が原因で起こる心筋梗塞や脳卒中を減らすことです。
「実はメタボの指導対象になった人で、実際に指導を受けたのはわずか16%。そのうち1年後に肥満が改善されたのは2%で、血圧や血糖値、脂質はほぼ改善されなかったというデータが(2020年京都大学の研究発表)。これでは健診の意味がありません。検査の目的を理解し、生活改善の必要があるなら行動に移し、健康維持に役立ててこその健診です」
イラスト/小迎裕美子 取材・原文/山村浩子