早期発見・早期治療を目的とした胃がん検診。従来のX線検査に加え、最近では自治体により内視鏡検査(胃カメラ)も選べるようになってきました。今回は消化器専門医の大竹真一郎先生に、内視鏡検査の特徴をお伺いしました。
お話を伺ったのは
大竹真一郎さん
Shinichiro Otake
おおたけ消化器内科クリニック院長、消化器専門医。高校中退から医師を目指すという異例の経歴を持つ。歯に衣着せぬ発言で、テレビやメディアでも活躍。著書多数
胃がんと大腸がん検査は内視鏡がベスト
最近は、自治体により胃がん検診にX線か内視鏡検査(胃カメラ)かを選べるようになってきました。
「X線では早期がんは見逃されがちなので、内視鏡検査がおすすめです。大腸がん検査も、内視鏡なら腫瘍の有無がすぐにわかり、そのまま組織を採取して病理検査に回せるので、検査が1回ですみます。臓器を傷つけるリスクはゼロではありませんが、被曝もなく、総合的にみて内視鏡検査のほうが優れているといえます」(大竹真一郎先生)
大腸がんに検便は意外と優秀!
大腸がんの検査で一般的に行われる便潜血検査(検便)は、便の中に血が混じっていないかを調べ、がんの可能性を探るものです。
「2日分の便を調べると、病気の可能性を拾い上げる確率は80%。そのうち本当にがんだった確率は3%です。便に血が混じる病気はがんだけでなく、痔なども拾い上げてしまうからで、大腸がんで出血しない場合もありますから万能とはいえません。
しかし、それを踏まえても、検便は体への負担がまったくなく、再検査に導くことで大腸がんの早期発見に役立つという点で優秀な検査といえます」
イラスト/小迎裕美子 取材・原文/山村浩子