健康状態をチェックする「健診」、特定の病気の有無を調べる「検診」。アワエイジ世代が受けるべき検査・受けなくていい検査の疑問を解決!
お話を伺ったのは
大竹真一郎さん
Shinichiro Otake
おおたけ消化器内科クリニック院長、消化器専門医。高校中退から医師を目指すという異例の経歴を持つ。歯に衣着せぬ発言で、テレビやメディアでも活躍。著書多数
Q
気になるところがあったら検診を受けるべき?
A
症状があるなら専門医へ!
「もし更年期の症状があれば婦人科へ、目が見えにくいなら眼科へ、歯は歯科へ。実際に症状があるなら、健診や検診ではなく医療機関を受診してください。保険で検査と治療が受けられます。
一方、眼底検査では全身の血管の様子が確認でき、骨密度の測定では骨粗しょう症のリスクがわかります。これらは各自治体の健診や保健センターなどで実施しており、リスクが少ない有意義な検査でしょう」(大竹真一郎先生)
Q
脳ドックや肺ドックは受けるべき?
A
脳ドックは不要。肺ドックは喫煙者には有効
人間ドックは通常の健康診断ではわからない病気の早期発見を目的に、自費で行われます。例えば、「脳ドック」はMRIや血液検査などで脳血管疾患のリスクを、「肺ドック」はCTや喀痰検査などで、初期がんの発見や肺機能の低下などを調べます。
「脳ドックを受けることで寿命が延びるというエビデンスはありません。肺ドックは被曝のリスクを納得したうえで、喫煙者なら受ける価値がありますが、非喫煙者には不要。基本的に、私は市区町村の5大がん検診で十分だと思っています」
Q
定期健診や人間ドックで要再検と言われたら、どうすればいい?
A
専門医を必ず受診して治療を受けましょう!
「検査の結果、病気の可能性が見つかったら、保健指導を受けて生活改善する、あるいは医療機関を受診するなど、アクションを起こさなければ意味がありません」と大竹真一郎先生。
「まずはかかりつけ医に相談するといいでしょう。いない場合は、血圧や心電図に異常があったら循環器内科へ、肺は呼吸器内科、胃や大腸は消化器内科、乳がんや子宮がんの疑いは婦人科へ。ためらわず、適切な専門医を受診してください」
イラスト/小迎裕美子 取材・原文/山村浩子