ランナーでなくてもスマートウォッチを使っている方が多くなりました。
スマートウォッチとは、腕時計のようなデザインの電子機器(デジタルデバイス)で、CPUという、PCやスマホに準ずるような機能が内蔵されています。一昔前ならこのような機械は、一定の職業や趣味の方に限定されていましたが、アップルウォッチやフィットビットなどかわいいデザインも多くなり、女性でも普通に身に着けているのを見るようになりました。
スマートフォンが台頭しはじめてから、腕時計を身に着けない方も増えたと思いますが、心拍計モニターなど技術も進化して、さらに自分の生活をモニタリングするということが浸透してきている気がします。腕に着けておくだけで、睡眠時間や歩数などを自動で計測してくれるのですからすごいですよね。
ランニングシーンでも同様です。以前ならせいぜいストップウォッチでタイムを測るくらいだったものが、スマートウォッチが台頭しはじめて、自分が走った距離やスピード、ストライドやピッチなどのランニングデータやフォームの乱れなどまで、簡単に計測できるようになりました。まるで専任のコーチのようにあれこれ数値でアドバイスしてくれるのです。
自分はそこまでしっかり走るわけじゃないからいらない?
私も以前はそう思っていたのですが、いざ使ってみたら、これがランニングの習慣化にも、とても有効なのです。
というわけで、今回は私がどんな風にスマートウォッチを使っているのか、ご紹介してみたいと思います。
ランナーがスマートウォッチを使うべき理由
まず、スマートウォッチには活動量計の機能があります。活動量計とはライフログともいい、日々の生活の中で活動状況や健康管理に特化したデータを測定できる機能です。歩数計などをイメージすると理解しやすいかもしれません。睡眠の質や心拍数、入力した身長や体重で消費カロリーを計算してくれるものなど、さまざまなものがあります。
スマートウォッチは、基本的にはこの活動量計と時計が一体化したウェアラブルデバイス(身に着けておける機械)です。ランナーだけでなく、トライアスロンやマリンスポーツ向けのモデルや、ゴルフ向けなど特定のスポーツに特化したものがあります。
特に、光学式心拍数計測の技術が採用されるようになってから、今までは心臓の近くにモニターする機械を付ける必要があった心拍数の計測も手首でできるようになり、機能も格段にアップしました。
例えばランナー向けなら、自分の走るスピードやフォームの左右差をチェックできたり、心拍データから運動中の強度を確認できたりしますし、GPSを搭載したモデルなら、自分が走ったルートを後から地図上で確認できたりもします。
前もってルートを設定しておけばランニング中に道案内までしてくれるモデルもあり、本当に至れり尽くせりなのです。
それだけではありません。私はGarmin社のフォアアスリートシリーズを愛用しているのですが、このシリーズは特に陸上スポーツに特化した機能が多く、ランナーに人気です。
このシリーズは、毎日の運動負荷を記録するだけでなく、トレーニングにおける自分の現在のステータスまで表示してくれます。どういうことかというと、例えば今日10km走ったとして、その内容を心拍数やスピードの変化で分析し、身体が回復するまでにはどのくらい時間が必要か、現在の身体の疲労度はどのくらいなのか、はたまた最大酸素摂取の能力の変化や、フルマラソンの予想タイムまで表示してくれたりするのです。
腕につけているだけで、自分の身体がどんな状態なのかがわかる。
さらに専用モデルであれば、自分のトレーニングの記録だけでなく、練習でどのくらい成長したかまで把握できる。
今までであればプロのコーチなどにアドバイスしてもらっていたことが、こんなに小さな機械だけである程度カバーできてしまうのです。すごくないですか?
え、こんな小さな画面で数字なんて見えない?
わかります、私も最近老眼で細かい文字は読めません。
安心してください。どのメーカーもスマートフォンのアプリやWebサイトにデータを転送して確認できるようになっています。過去データも蓄積や分析してくれるので、とにかく走るときに腕に着けてデータの計測だけしておければ、あとはいつでも確認できます。
雑誌などの企画でも、例えば家計チェックのように、さまざまな分野でプロが分析するようなコンテンツがあります。自分の場合はどうだろう、と思うことも多いのではないでしょうか。
そんな疑問に答えてくれる頼もしい存在、それが特化型のスマートウォッチなのではないかな、と思います。
記録が自分自身を後押ししてくれる
単純なトレーニングの記録だけでなく、練習でどのくらい成長したかまで把握できる、ということは、さぼったことも一目瞭然ということです。
毎日走ろうと決心しても、雨とか寒さとか前日の夜更かしとか飲みすぎとか(笑)、いろいろな理由で「今日はいいかな」となりがちなこと、誰にもあると思います。
さぼったとしても別に誰にも迷惑をかけるわけではないのですが、間が空けば空くほど再開するのがおっくうになるという現象は、誰もが経験しているのではないでしょうか。
こんな時、データで「数値が落ちた」「今月はこれだけしか走っていない」と突きつけられると、やはりちょっと走ってこようかな、という気分になります。さらに、Garminのように、トレーニングのステータスで明確に「さぼってますね」といわんばかりのマイナスデータをつきつけられると、つい「はい、ごめんなさい!走ります!」となってしまうのですよね。
面白いもので、最初は空白が多いデータでも気にならないのに、埋まってくると空白があることがいやになったりします。たくさん走ってステータスが上がったりすると、その数字が落ちるのが許せなくなるのです。
そんなことを続けていていると、だんだん習慣化してくるし、さらに落としたくなくて続いてしまう、というわけなのです。
今日はなんにもしていないな、という日でも、例えば1kmウォーキングしたとか、運動ではなくても気になっていた家事をやり終えた、というだけで気分がよくなった経験をお持ちの方も多いと思います。自分がこれだけやったという記録は、数か月も溜まればかなりの量です。「これだけできた」という自信が、やる気を後押ししてくれるのです。
GPSなどの機能は、スマートフォン+無料アプリでも実現できます。でも、ただの記録だけでなく、今現在の自分をあれこれ教えてくれる存在としてのスマートウォッチは、習慣化のためにも心強いパートナーだと思います。
趣味も形から入る、といわれます。
もし、ランニングを趣味にしたいのに続かなくて悩んでいる、という方は一度試してみてはいかがでしょうか。