歯を失ったときの治療法「インプラント」「ブリッジ」「入れ歯」、それぞれの特質を歯科医師の堀 滋先生がお答えします。
虫歯
昔に治療した歯がダメになる…そんな悩みが急増する40~50代。虫歯の基礎知識、治療するときに注意したいこととは?
Q インプラントvsブリッジvs入れ歯、どれがベスト?
A それぞれにメリットとデメリットがあります
歯を失ったときの治療法はおもに3つ。
「『インプラント』はあごの骨に人工歯根を埋め込み、人工歯をかぶせる治療。自分の歯と同じ感覚で嚙めて、違和感もほとんどありません。しかし、歯科医での定期的なメンテナンスが必須で、怠るとインプラント周囲炎になることが。
『ブリッジ』は両隣の歯に連結して人工歯を入れる方法で、デメリットは隣の歯を大きく削る必要があること。
『入れ歯』は取り外して掃除をする必要がありますが、保険適用から自費診療まで選択肢が広いのがメリット。それぞれの特質を理解して選ぶことが重要です」(堀滋先生)
3つの治療法は、入れたあとの快適さ、メンテナンスの方法、費用などに差があります。それらを含めて納得して決めることが大切です
治療法のメリット&デメリット
●インプラント
メリット
- ・自分の歯と同じ感覚で嚙める
- ・他の歯に負担がかからない
- ・見た目が美しい
- ・取り外して清掃する必要がない
デメリット
- ・保健適用外(例外あり)
- ・治療に少し時間がかかる
- ・歯科医院でのケアが必要
- ・対応できないケースがある
●ブリッジ
メリット
- ・取り外して清掃する必要がない
- ・比較的短期間で治療できる
- ・健康保険を使った範囲内での治療もできる
デメリット
- ・健康な歯を削る必要がある
- ・両隣の歯に負担がかかる
- ・隙間ができるので、汚れがたまりやすくなる
●入れ歯
メリット
- ・合っていれば嚙めるようになる
- ・保険治療から自費診療、素材などの選択肢が広い
- ・自分でケアがしやすい
デメリット
- ・食事のたびに外し清掃が必要
- ・寝る前は外して保管する
- ・素材により、食べ物の温度がわかりにくいことがある
お話を伺ったのは
堀 滋さん
Shigeru Hori
歯科医師。サウラデンタルクリニック院長。海外の最新治療を学び、全身の健康につながる医療を追求
イラスト/寺田久美 構成・原文/山村浩子