歯周病ってどんな病気? 虫歯と何が違うの? そんな疑問に歯科医師の若林健史先生がお答えします。
歯周病
歯周病は初期には自覚症状がないので、気づかないうちに進行していることも。歯を失わないためにも、今からの管理が重要です。
●歯周病チェック
- □ 歯茎が時々赤く腫れる
- □ 歯茎がむずむずとかゆい
- □ 歯が浮いた感じがする
- □ 冷たいものがしみる
- □ 歯を磨くと歯茎から出血する
- □ 下の前歯の裏側に歯石がついている
- □ 朝起きたときに口の中がネバネバする
- □ 歯茎を押すと血や膿(うみ)が出る
- □ 口臭を指摘された。自分でも感じる
- □ 「サ行」が発音しにくい
- □ 歯と歯の間に食べ物が挟まりやすい
- □ 歯を押すとグラグラする
- □ 歯茎が下がり、歯が長くなった
- □ 以前と歯並びが変わった
チェックが、0~2個/健康、3~4個/歯周病の可能性あり、5個以上/歯周病の可能性大
Q 歯周病って虫歯とどう違うの?
A 歯周病は歯茎の病気で歯を失う原因No.1です
「どちらも歯垢(プラーク)の中に潜む細菌が原因ですが、細菌の種類が違います。虫歯菌はおもに酸素を好む菌で、歯を溶かすように働くのに対し、歯周病菌の代表ジンジバリス菌は空気を嫌い、歯茎の隙間を好みます。そのため、歯茎に炎症を起こし、歯を支える骨を溶かして、やがて歯が抜けてしまいます」(若林健史先生)。
歯周病菌はキスなどで移り、20代で移されたものが、年月を経て50代で発症することも。
歯肉炎では歯茎から出血が。軽度の歯周炎では歯槽骨が破壊されはじめ、中等度では歯がグラグラしてきて、重度になると歯が抜けてしまいます
Q 歯周病になっているかどうしたらわかるのですか?
A 歯茎から出血したら歯周病の始まりです
「歯周病とは歯肉炎と歯周炎の総称です。歯茎が腫れたり、歯を磨いていて血が出るのは歯肉炎の状態で、歯周病の初期段階。歯科医での検査では、針状の器具を使って歯周ポケット(歯と歯茎の隙間)の深さを調べ、4㎜以上だと歯周病と判断します」(若林健史先生)。
厚生労働省の調査では、30代以上の約70%が歯周病というほど、誰でも罹患している可能性がある病気。「初期段階で徹底したケアを行えば治るので、早期発見・早期治療が何より大切です」(若林健史先生)。
お話を伺ったのは
若林健史さん
Kenji Wakabayashi
歯科医師、歯周病専門医。若林歯科医院院長、オーラルケアクリニック青山理事長。日本歯周病学会理事
イラスト/寺田久美 構成・原文/山村浩子