歯周病を放置しておこるさまざまなトラブルを、歯科医師の若林健史先生がお答えします。
歯周病
歯周病は初期には自覚症状がないので、気づかないうちに進行していることも。歯を失わないためにも、今からの管理が重要です。
Q 歯周病になるとどんなデメリットがありますか?
A 糖尿病、血液や骨の病気、認知症にも関係しています
歯周病を放置しておくと、歯を失うだけではありません。
「口の中で歯周病による炎症が続くことで、その毒性物質が歯茎の血管から全身に回り、さまざまな病気を引き起こします。
例えば、血糖値を下げるインスリンの働きを悪くするので糖尿病に。歯周病があると、糖尿病になる確率が2.6倍高まるといわれています。誤嚥(ごえん)により細菌が肺に入ることで肺炎に。動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳梗塞に。
最近では、アルツハイマー病や骨粗しょう症、リウマチとも関係していることが報告されています」(若林健史先生)。
歯周病の放置は寿命を短くする大きな要因。早期の治療が必要です。
お話を伺ったのは
若林健史さん
Kenji Wakabayashi
歯科医師、歯周病専門医。若林歯科医院院長、オーラルケアクリニック青山理事長。日本歯周病学会理事
イラスト/寺田久美 構成・原文/山村浩子