食いしばりの癖や嚙み合わせなど、口腔トラブルについての疑問を、歯科医師の堀 滋先生、若林健史先生がお答えします。
機能のトラブル
嚙み合わせの悪さや、食いしばりの癖など、その影響は年齢とともに思わぬところに表れることも。その不調…歯が原因かも!?
Q 食いしばりや歯ぎしりは放っておいていいの?
A 歯や歯茎に負担がかかるので、歯科医に相談を!
朝起きたときにあごが疲れていたら要注意!
「歯にかかる負担は体重の2~5倍ともいわれ、歯が欠けたり、エナメル質に入った亀裂から虫歯になることもあります。
マウスピースの装着は、食いしばりを予防する効果はなく、歯への負担を減らすためのもの。ストレスや睡眠時低血糖など、嚙みしめの原因を解消する試みが大切です」(堀 滋先生)
Q 歯に物が挟まります。改善法は?
A 原因はさまざま。まずは歯科医に相談を!
「原因は、年齢とともに歯茎が痩せたり、歯を支える骨が減ることで、歯と歯の隙間が広がってしまうこと。ほかには、虫歯治療の際に詰め物やかぶせ物の縁が合っていなかったり、形が悪いと、食べ物が挟まるようになります。
まずは歯科医に相談して原因を探ります。自分で行う解決策は、デンタルフロスや歯間ブラシで掃除をまめに行うことです」(若林健史先生)
Q 親知らずは抜いたほうがいいのでしょうか?
A 悪さをしなければそのままでも問題ありません
「問題になるのは、中途半端に歯の一部が歯茎から顔を出してしまうケース。掃除がしにくく、虫歯や歯周病の原因になります。
しかし、特に悪さをしないのであれば、抜歯する必要はありません。むしろ、適正に生えているものであれば、失った歯の代わりの『移植』に使用する利用価値があります」(若林健史先生)
お話を伺ったのは
堀 滋さん
Shigeru Hori
歯科医師。サウラデンタルクリニック院長。海外の最新治療を学び、全身の健康につながる医療を追求
若林健史さん
Kenji Wakabayashi
歯科医師、歯周病専門医。若林歯科医院院長、オーラルケアクリニック青山理事長。日本歯周病学会理事
イラスト/寺田久美 構成・原文/山村浩子