以前、乳がんの術後治療として、エストロゲン抑制の薬を摂取していることを書きました。この薬には大きく閉経前と閉経後用があり、私も閉経が確実と判断できたら切り替えましょうと言われていました。
その判断のために、先日血液検査を受けたのですが、なんとまだ”完全に終わったとはいえない状態だという結果になったのです。
白状すると、私は乳がんが見つかる少し前からすでにないので、ほぼ2年ほどストップしている計算です。完全に切り替わるつもり満々だった(?)ので、びっくり。
そんなこんなで、あらためて閉経って何だろう、と疑問を感じることに。
せっかくなので自分なりに調べてみることにしました。
そもそも閉経ってなに?
閉経とは月経が完全に停止した状態のこと。
一般的な認知としては、月経が1年こなかったら閉経というイメージが強いのではないかと思います。私もそう思っていました。
公益社団法人日本産科婦人科学会のサイトの「更年期障害」のページによると、
「閉経」とは、卵巣の活動性が次第に消失し、ついに月経が永久に停止した状態をいいます。月経が来ない状態が12か月以上続いた時に、1年前を振り返って閉経としています。日本人の平均閉経年齢は約50歳ですが、個人差が大きく、早い人では40歳代前半、遅い人でも50歳代後半には閉経を迎えます。
と記載されています。
この理屈であれば、私はもう閉経といってもいいのでは?
今回どうして「まだ」の判断になったのでしょう?
血液検査でわかるホルモン量いろいろ
色々調べていると、どうも女性ホルモンの「エストロゲン(E2)」と卵巣を刺激するホルモン「卵胞刺激ホルモン(FSH)」の量で閉経が判断できるらしい、ということがわかってきました。
そもそも、女性の身体はエストロゲンが分泌されることで排卵が起きて生理が来ます。加齢とともに卵巣機能が低下していくと、エストロゲンの分泌量が減っていき、最終的に卵巣機能が終了してエストロゲンの分泌量がゼロになると「排卵が起きない=生理がこなくなる」という仕組みです。
また、子宮を摘出していたり、私のようにエストロゲンそのものを抑制する薬を飲んでいると、正確に判断できなくなってしまい、その場合はホルモン値を調べて判断するようなのです。
日本女性医学学会ニューズレター2021年Vol.27によると、「FSH値40mIU/ml以上かつエストラジオール(エストロゲン)値20pg/ml以下」を基準としている、と記されています。
また、今回の原稿を聖順会 ジュノ・ヴェスタ クリニック八田院長・八田真理子医師に確認していただいたところ、下記のような最新情報を教えてくださいました。
―この数値の測定単位は非常に微量なもので、更年期はホルモン値の変動が大きく一回の検査だけで閉経と断定できず、数カ月あけて再検査の必要があるといわれます。また最近では、完全閉経をFSH値が80IU/ml以上という向きもあります。―とのことでした。
わかってきたかもしれません。
サバイバーである私の場合、治療の影響などもあり、生理のあるなしだけでは判断できないので、血液検査をする必要があった。そして、その結果、その基準値にまだ達していなかった、というわけなのですね。
そういえば、新しい主治医(大学病院のお医者様にも転勤があるらしくて、先日主治医が変わりました)の説明では「まだ可能性が残っているから」という表現をしていました。
それって、エストロゲンが減りきっていないということだったのですね。(今更)
私が飲んでいる薬は、タモキシフェンという名称です。エストロゲンがエストロゲン受容体へ結合することを阻害する効果がある薬ですが、どちらかというとエストロゲンがまだ分泌される状態の方が適しているのだそうです。
なぜなら、閉経後は、脂肪組織や乳がん組織内にあるアロマターゼという酵素がエストロゲンを作ってしまうから。それを抑える薬に切り変えるとある程度効果が高くなるといわれており、それが「閉経後に薬を変えましょう」というお話につながっていたというわけなのです。
手術をしてから約2年、再発もせずに普段の生活でサバイバーであることを意識することはかなり減りましたが、まだまだ完全復活まで遠い道のりだということをあらためて感じました。
乳がんが再発する可能性は約10年間。10年-2年であと8年、完全にがんに勝ったと言えるまで、まだまだしっかり勉強しながら過ごしていきたいと思います。