歯並びの良い歯は、見た目以外にもさまざまな利点があります。最近の歯列矯正について、歯科医師の佐藤由紀子先生に伺いました。
審美歯科
歯が美しく整うと、歯磨きがしやすくなり、口腔ケアへの関心もアップ。結果、虫歯や歯周病の予防など、口腔内の健康維持にも役立ちます。
Q 大人になってからでも歯列矯正はできますか?
A 何歳になってもできます
「歯並びが悪いと、掃除が十分にできず、虫歯や歯周病になりやすくなります。また、歯並びを整えると、しっかり嚙めるという機能性がアップするだけでなく、口腔ケアへの関心が高まるメリットも。
歯列矯正は何歳になってもできます。最近では、ブラケット(矯正器具)を歯の裏側に装着したり、簡単に着脱できる透明なマウスピースで行う方法も」(佐藤由紀子先生)
これらなら目立たないので、大人世代にもうれしい。
マウスピース矯正のメリット&デメリット
●メリット
- ●透明なので目立たない
- ●食事中は取り外しができる
- ●衛生的
- ●異物感や痛みが少ない
- ●デジタルな治療計画により、治療後のイメージが事前にわかる
●デメリット
- ●1日20時間以上装着する必要がある
- ●つけたまま飲食ができない
- ●歯や骨格の状態によって行えない場合がある
Q 矯正以外に歯並びを治す方法はありますか?
A セラミック矯正という方法があります
中には歯の状況により歯列矯正ができなかったり、矯正器具をつけたくない人も。
「そんな場合には、歯の状況に応じて1本〜何本か歯を削って、歯並びを整えながら表面にセラミックをかぶせる『セラミック矯正』があります。
これだと、比較的短時間で治療が終わり、歯並びと同時に歯の色を白くすることもできます。ただし、健康な歯を削る必要が出てくることもあるので、歯科医とよく相談して進めることが大切です」(佐藤由紀子先生)
セラミック矯正をした歯
●BEFORE
上下の歯並びがガタガタで、以前に治療した銀歯が気になり来院しました
●AFTER
歯並びの調整をしながら、1本1本歯にかぶせ物をしました。白い歯になり、口元の印象が格段にアップ!
お話を伺ったのは
佐藤由紀子さん
Yukiko Sato
歯科医師。ナグモ歯科赤坂クリニック副院長。日本アンチエイジング歯科学会理事、日本歯科審美学会代議員
イラスト/寺田久美 構成・原文/山村浩子