悪玉菌の増殖を抑制したり、免疫機能の向上をサポートする、ビフィズス菌や乳酸菌の上手な増やし方をご紹介します。
腸内のビフィズス菌・乳酸菌の増やし方
●1〜2週間はとり続けて体調変化のチェックを
「ビフィズス菌や乳酸菌は、ヨーグルトやサプリメントなどからとることができます。乳酸菌は発酵食品などからもとれますし、ビフィズス菌は、餌になるオリゴ糖や食物繊維をとることで腸内でも増やせます。
整腸作用を求めるなら生きた菌のほうがいいので、菌が胃酸で死なないように、胃酸が薄まる食後にヨーグルトなどをとるのがおすすめ。加熱でも菌が死滅するのでホットヨーグルトは避けましょう。
一方、免疫系の活性やアレルギー抑制作用を求めるなら死んだ菌でもOKなので、加熱してもサプリメントでとってもよく、睡眠中に小腸で働かせるために夕食後にとるのが効果的。
また、ビフィズス菌や乳酸菌をとっても、腸内で増殖するまでに時間がかかるので、同じ種類の菌株を1〜2週間はとり続けて体調変化を確認し、変化を感じなかったら他の菌株に変えて、自分に合うものを見極めて」
●とり方のポイント
- ・ 死んだ菌でもOK
- ・ 食後にとるのが効果的
- ・ 免疫機能向上なら夕食後にとる
- ・ 毎日とる
- ・ 2週間続けて、効果をチェック
ビフィズス菌の増やし方
●ビフィズス菌の餌をとって増やす
「ビフィズス菌などヒトの体に有益な効果を持つ生きた微生物はプロバイオティクス、オリゴ糖や水溶性食物繊維など善玉菌の餌となるものはプレバイオティクス。同時にとるのが理想的」
◆水溶性食物繊維
水溶性食物繊維は、りんごなどの果物、ごぼう、海藻、大麦、こんにゃく、なめこなどに豊富。
◆オリゴ糖
バナナ、大豆、ごぼう、はちみつ、牛乳、玉ねぎ、キャベツ、アスパラガス、にんにくなどに多く含まれます。
乳酸菌の増やし方
●乳酸菌を食品からとるなら
「乳酸菌は、発酵食品にも含まれるので、毎日の食事に発酵食品を取り入れるのも腸内の乳酸菌を増やすよい方法。発酵食品には塩分が多いものもあるので、とりすぎには注意」
◆発酵食品
納豆、ぬか漬け、酒粕、キムチ、味噌、しょうゆ、チーズ、甘酒などの発酵食品には乳酸菌が豊富。
お話を伺ったのは
齋藤忠夫さん
Tadao Saito
東北大学名誉教授。農学博士。乳酸菌研究および機能性ヨーグルト研究の第一人者。専門は、食品科学・応用微生物学。メディア出演も多数
イラスト/沼田光太郎 取材・原文/和田美穂