近視と正視の老眼対策や、メガネ店と眼科で行う眼の検査の違いといった疑問に、専門医が答えます。
Q 近視と正視の人では老眼対策は違うの?
A 見え方に応じた対策が必要です
「正視(ここでは遠視も含む)の人は今まで近くも遠くもクリアに見えていたのが、老眼になると近くだけぼやけます。近視の人は裸眼では近くは見えて、遠くはぼやけています。
老眼の人がメガネやコンタクトレンズで遠くが見えるように近視を矯正すると、正視の人と同様に近くがぼやけます。この場合、メガネをはずすと近くは見えます」(平松類先生)。
その見え方の違いを踏まえた、老眼鏡選びが必要です。
視力による対応の違い
正視の人と近視の人では見え方が違いますが、やがて必ず老眼になります。より快適な老眼ライフを送るために、30代後半から準備しておくと安心!
●近視の人
- ◆30代~40代:近視用のメガネを少し弱くしておく
- ◆40代中盤~:弱い遠近両用レンズ(アシストレンズ)を使用して、徐々に度数を上げていく
●正視の人
- ◆30代~40代:メガネなし。手元作業が多い場合は弱い遠近両用レンズを使用する
- ◆40代中盤~:近用単焦点、もしくは弱い遠近両用から徐々に度数を上げていく
Q メガネ店と眼科の目の検査はどこが違うの?
A 眼科では目の病気の診断もできます
「大きな違いは、眼科を受診すれば、ほかの病気が隠れていないかも診断できることです。老眼だけかと思ったら緑内障があった、というケースなどは意外に多いのです。
40歳以上で20人に1人は緑内障、50歳以上では2人に1人は白内障があります。40歳を過ぎたら、一度は眼科で基本的な検査をしてもらうことをおすすめします」(平松類先生)
Q 老眼鏡の価格がピンキリ… その違いは何?
A 多くはレンズの違いです
「価格の違いは、企業努力(企業差)やフレームのデザイン性などにもよりますが、多くはレンズの違いです。高い単焦点レンズは周辺部の歪みが少ない設計に。
また、遠近両用のようにひとつのレンズに違う度数を入れると高くなります。100円ショップの老眼鏡でも、短時間の使用なら問題ありませんが、長時間は目が疲れるなど負担になります。
用途に応じて使い分けるといいでしょう」(平松類先生)
答えてくれたのは
平松 類さん
Rui Hiramatsu
医師、医学博士。昭和大学兼任講師、二本松眼科病院副院長。目の健康YouTube「眼科医平松類チャンネル」は登録者数10万人超え。日々、無料で目の健康情報をアップしている
撮影/塩谷哲平 スタイリスト/程野祐子 構成・原文/山村浩子