画像がきれいに見えるようにピントを調整する水晶体。その厚みを調整する、毛様体筋を鍛えて老眼の進行を食い止めることができるのでしょうか? 医学博士の平松類先生がお答えします。
Q 老眼は毛様体筋を鍛えるといい?
A いいえ、まずは緩めるようにしましょう
「老眼を感じたら…ファーストステップは“毛様体筋を緩める”ことです。毛様体筋は遠くを見るときは緩み、近くを見るときに収縮します。体のこった筋肉を伸ばしてほぐすように、毛様体筋もストレッチが必要です。
また脳機能を回復させるエクササイズも効果的。まずはこの3種のメソッドを実践してみてください」(平松類先生)
毛様体筋ストレッチ
顔から30㎝くらい先(手元)を10秒見て、次に6m以上先を10秒見ます。そしてまた手元を見ます。これを交互に10回ほど繰り返します。見る対象はなんでもかまいません
簡易版雲霧法(うんむほう)
100円ショップなどでも買える近用単焦点の老眼鏡(+2の度数が目安)をかけて、2m以上先を見るとぼやけます。これは毛様体筋がピントを合わせようとせずに、リラックスしている状態。これを5分ほど行うことで、目の疲労回復に役立ちます
ガボール・アイ
上のガボール・パッチと呼ばれる縞模様を見て、同じ図形を探してください(3分続ける)。これは正解することが目的ではなく、どんな図形かを把握しようとすることが、視覚を司る脳領域に作用。科学的に実証された視力回復トレーニングです
答えてくれたのは
平松 類さん
Rui Hiramatsu
医師、医学博士。昭和大学兼任講師、二本松眼科病院副院長。目の健康YouTube「眼科医平松類チャンネル」は登録者数10万人超え。日々、無料で目の健康情報をアップしている
イラスト/内藤しなこ 構成・原文/山村浩子