文字が読みづらくなってきたなど老眼を感じた時、対策としては、目を温めた方が良い? 冷やした方が良い? 医学博士の平松類先生がお答えします。
Q 老眼対策には目は温める? 冷やす?
A 基本的には温めることが大事!
「目を温めることで、毛様体筋や水晶体が若返ることはありませんが、血行が促され、眼精疲労の軽減に役立ちます。
特に目を酷使している人は一時的な毛様体筋の機能不全の回復が見込め、ドライアイなどで涙の質が低下している場合も、質を上げる効果が期待できます。老眼対策には疲れをためない心がけも必要です」(平松類先生)
タオルを軽く濡らして絞り、600Wの電子レンジで約40秒温めます。40℃ほどに温まったタオルを、目を閉じたまぶたに3~5分のせます。入浴時に風呂の湯を浸して絞ったタオルでもOK!
Q 白内障の手術で老眼も解決する?
A 現在、老眼治療の主流です
「白内障は加齢により水晶体が白く濁る現象で、老眼は水晶体が硬くなることが一因です。白内障の手術はこの濁った水晶体を、人工の眼内レンズに入れ替えます。このとき遠近両用(多焦点)の眼内レンズにすることで、同時に老眼も解消します。現在、老眼治療の主流はこの方法。
しかし、見え方の鮮明度をテレビに例えると、白内障だけの手術なら4Kなのに対し、老眼同時手術だと1Kくらいに落ちます。高額の割に、満足感が得られない可能性や、目の病気があると行えないなどのデメリットもあり、実際に行う人は白内障の手術をするうちの約5%未満です」(平松類先生)
答えてくれたのは
平松 類さん
Rui Hiramatsu
医師、医学博士。昭和大学兼任講師、二本松眼科病院副院長。目の健康YouTube「眼科医平松類チャンネル」は登録者数10万人超え。日々、無料で目の健康情報をアップしている
イラスト/内藤しなこ 構成・原文/山村浩子