レーシックなどの視力矯正手術で老眼は治るのでしょうか? 医学博士の平松類先生がお答えします。
Q レーシック、フェイキックIOLで老眼は治る?
A デメリットもあるので慎重に!
「レーシックはレーザーで角膜のカーブを変えることで、近視や乱視を治療する手術。これによる老眼治療は片目を遠く、片目を近くと差をつける方法と、角膜を削るときに遠くも近くも見えるようにする方法があります。
しかし一度行うと元に戻せないこともあり、あまり実践されていません。また、フェイキックIOLというのは遠近両用のレンズを眼内に入れる手術です。遠くも近くも見えるようになりますが、白内障を進行させる可能性が高まり、その後に白内障になったら、そのレンズを取り出す必要があります。
いずれも感染症のリスクや、まだ症例数が少ないので未知数なところがあります。行う場合はデメリットを十分に考慮することが重要です」(平松類先生)
老眼治療におけるメリット・デメリット
●レーシック
- <メリット>
遠くも近くも見えるようになる - <デメリット>
ドライアイになりやすい。元に戻せない
●フェイキックIOL
- <メリット>
遠くも近くも見えるようになる - <デメリット>
白内障を進行させる可能性がある
●レーシック、フェイキックIOL共通のデメリット
- ●まぶしさを感じることがある
- ●白内障になり眼内レンズを入れると、意味がなくなる
- ●感染症のリスク
- ●症例数が少なく未知数なところがある
答えてくれたのは
平松 類さん
Rui Hiramatsu
医師、医学博士。昭和大学兼任講師、二本松眼科病院副院長。目の健康YouTube「眼科医平松類チャンネル」は登録者数10万人超え。日々、無料で目の健康情報をアップしている
撮影/塩谷哲平 スタイリスト/程野祐子 構成・原文/山村浩子