体を動かすことや眠ることも消化力に影響するって知っていますか? 毎日のちょっとした生活習慣で消化力をアップするテクニック、今回が最終回です。
前回までの「消化力」を上げるちょいテク集は、下のリンクから読むことができます
“消化力”を上げるちょいテク集
運動と睡眠は消化力にも影響する
一見、消化と関係なさそうな運動と睡眠。消化チームが連携して消化活動をしているように、全身の各臓器とも連動して健康は維持されています。
「特に自律神経を整えることは、消化力アップにつながります。それには、規則正しい生活ととともに、軽い運動で体を動かすこと、そして良質な睡眠が必須。睡眠は疲れをとるだけでなく、心身のメンテナンスを行う時間でもあります。
体全体の健康を底上げしていくことが大切です」
食欲がないときには無理に食べない
OurAge世代が子どもの頃は、風邪などをひいて食欲がないときも、大人から「食べて栄養をつけないと治りませんよ」などと言われたものです。
「体調が優れないと食欲が落ちますが、それは食べることよりもその不調の改善に体が働いているとみるべきでしょう。
無理に食べる必要はなく、水分補給さえ適切にしていれば、食べずに胃腸を休ませるほうが得策です」
適度なお酒で消化力アップ
「アルコールは胃で20%、小腸で残りの80%が吸収され、90%以上が肝臓で代謝されます。飲酒量が適量であれば、消化酵素の分泌を増やし、血流を促し胃の動きを活発にして、食欲増進や消化力アップにひと役買ってくれます。
しかしながら、適量を超えると消化器官や肝臓などに悪影響を与えます」。
飲めない人は無理に飲むのは厳禁。好きな人もほどほどに、食事を楽しむために上手に取り入れましょう。
抗酸化作用のあるポリフェノールが豊富な赤ワインがおすすめです。
お話を伺ったのは
澤田幸男さん
Yukio Sawada
1957年生まれ。「澤田肝臓・消化器内科クリニック」院長。医学博士。専門は消化器内科。アダムスキー式腸活法を提唱する『腸がすべて』(東洋経済新報社)の監修を担当。神矢丈児氏との共著『腸が寿命を決める』(集英社新書)も
イラスト/木下綾乃 構成・原文/山村浩子