最近の研究で明らかになった、脳の健康を保つ11品目の「新和食」。実現するための法則とは?
タンパク質は魚と豆を中心に
脳をはじめ、体の細胞はタンパク質でできています。なかでも魚は日本でも欧米でも認知症予防に役立つという研究結果が。それに加え、最近注目されているのが大豆などの豆類です。
「年齢を重ねるとタンパク質が不足しがちですが、魚と豆で動物性と植物性のダブルで摂取するのがおすすめです」(沼津りえさん)
善玉菌が喜ぶ食物繊維は脳も喜ぶ
脳と腸は連携しています。腸の状態を整えておくことは認知症予防にもなることが最近の研究でわかってきました。
「食物繊維には2種類あり、不溶性食物繊維(穀類、葉野菜など)は腸の掃除をし、水溶性食物繊維(海藻類、柑橘類など)は善玉菌のエサになるので、これらをバランスよくとるといいでしょう」
細胞の焦げを防ぐ抗糖化も意識する
糖化とは、体の中の余った糖分がタンパク質と結びついてAGEs(最終糖化産物)という老化物質を生成し、体の細胞を劣化させる現象です。「細胞が焦げる」ともいわれています。糖尿病や認知症の原因になるという報告も。
「これを防ぐには、AGEsの生成を促す食べ物、例えば、甘い菓子やジュース、ファストフード、揚げた肉類などを食べすぎないように注意しましょう」
抗酸化物質は認知機能のサビを撃退!
心身の老化は細胞の酸化が進んだ状態。それを防いでくれるのが抗酸化物質です。
「野菜や果物に含まれるビタミンやミネラルに加え、注目したいのが、植物の苦味や色素などの成分ポリフェノール類。赤ワインに多いレスベラトロール、緑茶のカテキン、ココアのカカオポリフェノール、豆類のイソフラボンなどが代表的。いずれも血管を健康に保つ働きがあると注目されています」
監修
佐治直樹さん
Naoki Saji
国立長寿医療研究センター もの忘れセンター副センター長。兵庫県立姫路循環器病センター 神経内科(医長)、川崎医科大学脳卒中医学(特任講師・特任准教授)などを経て現職。研究内容は認知症のリスク因子と予防、腸内フローラとの関係
沼津りえさん
Rie Numazu
管理栄養士、料理研究家。料理教室COOK会主宰。製菓・製パン専門学校や老舗洋食レストランなどで料理の基礎を学ぶ。シンプルでおしゃれなレシピに定評があり、雑誌やテレビなどのメディアで活躍。企業向けのレシピ開発なども行う
撮影/神林 環 スタイリスト/洲脇佑美 構成・原文/山村浩子
◆認知症を予防する11品目を使った「新和食」レシピはこちら。