心身が休息モードに入るためには副交感神経を優位にすることが大切。快眠のためにしておきたい夜の行動を、国際医療福祉大学医学部心療内科学主任教授の岡孝和先生に詳しく伺いました。
快眠のための夜の過ごし方
体温は夕方をピークに夜には徐々に低下して、心身は休息モードに。副交感神経を優位にしてリラクセーションを心がけて!
夕食には体が温まるものがベスト
「夜には体温は下がっていきますが、夏場は夜でも気温や湿度が高いこともあり、体温が下がりにくい状態です。そんなときの夕食はあえて温かいものを食べて、体温をいったん上げておくと、その後の体温低下が起こりやすくなり、入眠しやすくなります」(岡 孝和先生)
ただし、激辛のものは交感神経を刺激してしまうので、避けたほうがよさそうです。
お風呂はぬるめの湯で汗が出ない程度に体を温める
寝る前の体温の「上げ→下げ」が快眠のポイント。
「そのためには、夏場でも湯船につかることをおすすめします。ただし熱すぎる湯、長湯は交感神経を刺激してしまうので逆効果。38〜39℃程度のぬるめの湯に10分が目安。汗が出ない程度に体を温めましょう」(岡 孝和先生)
熱帯夜はエアコンで室温を28℃程度に設定して!
「深部体温が自然に低下していくと、睡眠が深くなります。夏の高温・多湿の夜の場合には、深部体温が下がりにくく、これが睡眠の質を低下させることになります」(岡 孝和先生)
そんなときは冷房をかけて寝るのがおすすめ。設定温度は少し高めの28℃くらい。冷風が直接体に当たると冷えすぎるので、風向きを工夫して。
お話を伺ったのは
岡 孝和さん
Takakazu Oka
国際医療福祉大学医学部心療内科学主任教授。産業医科大学医学部講師、九州大学大学院医学研究院心身医学分野准教授を経て、2017年より現職。’20年より国際医療福祉大学成田病院心療内科部長を兼任
イラスト/いいあい 構成・原文/山村浩子