体臭の元は、皮膚から発せられる微量のガス「皮膚ガス」です。最近の研究で、皮膚ガスを放散ルートによって3種類に分類。それぞれの特徴と対策は?
皮膚ガスは3種類
皮膚ガスとは、体のにおいの元になるもので、文字通り「皮膚から発生するガス」のこと。放散の経路によって3つに分けられます。皮膚表面から発生するもの、皮膚内部の皮膚腺(汗腺や皮脂腺)から出てくるもの、血液から発生するもの。それぞれの特徴を覚えておきたい。
\洗って落ちる!/
皮膚表面からのにおい
❶表面反応由来
●酸化によってにおう加齢臭など
汗や皮脂が皮膚表面で何らかの作用を受けて酸化し、嫌なにおいの原因になる皮膚ガス。加齢臭や皮脂臭などがこれ。でも、石鹼やシャンプーで落ちやすいのが特徴。
\洗って落ちる!/
汗腺・代謝からのにおい
❷皮膚腺由来
●汗をかいたときの酸っぱいにおい
皮膚内部から生じるガス。血液に含まれる化学物質が汗腺に取り込まれ、汗とともに出てくるもの。汗の酸っぱいにおいはこれが原因。また、皮脂とともに出てくるものも、わずかにあります。常在菌や過酸化物が介在しないのが特徴。洗って落ちます。
\洗っても落ちない!/
血液中からのにおい
❸血液由来
●血液中の成分が気体となって出る
血液中を流れている化学物質が気体となって出る皮膚ガス。お酒を飲んだ翌朝のお酒臭やにんにくを食べたあとのにおい、疲れたときの疲労臭などは、口臭だけでなく体内から染み出てくるもの。これらは体をよく洗っても落ちにくいという特徴が!
教えていただいたのは
1966年生まれ。専門は環境化学、環境鑑識学。皮膚ガスと健康状態の関連を研究、体のにおいで健康診断するのが目標。においのエキスパートとして、TVに出演するなどメディアでも活躍
イラスト/カケハタリョウ 構成・原文/蓮見則子