足は体のほかの部位よりも何倍も汗をかき、しかも独特のにおいを放ちます。さらに冬は、お休みしていた体中の「休眠汗腺」がコートやブーツで体温が上がり、急に噴き出す危険性が! べとべとした汗でにおい自体がきついので要注意です。
冬に気になる汗のにおい
足臭
脱いだら足も靴もどちらも清潔に
足はほかの部位より何倍も汗をかくといわれます。しかも脇や体にかく酸っぱい汗臭「酢酸」と違い、「イソ吉草酸」が常在菌により分解され、独特の強い酸臭を放ちます。足は角質が多くて菌がすみやすく、靴やブーツで高温多湿になりやすいので、脱いだら足も靴もケアを!
●靴下をそのままにしたときの菌の増殖※1
※1:8時間着用後の靴下の足裏の部分を湿ったタオルが入っている洗濯カゴのいちばん上、真ん中に置き、25℃18時間放置したあとの菌数を測定
※2:着用直後を100としたときの菌数
出典/ライオン
ブーツ臭
ブーツ内は真夏並みの高温多湿
もともと汗の量が多い足に、通気性の悪いブーツは汗や体温をため込みやすく、雑菌がどんどん繁殖し、においの原因に。1日履いたブーツは除湿剤やスプレーをして1日お休みを。湿っていればドライヤーで乾燥しましょう。足はもちろん、爪や指の間までしっかり洗います。
足が臭い人の対策10カ条
- ① 素足で過ごす時間を増やす
- ② 指の間や爪の中まできちんと洗う
- ③ 同じ靴を連続して履かない
- ④ 足専用のデオドラント剤を使う
- ⑤ 靴用の消臭アイテムを使う
- ⑥ 足の爪を長く伸ばさない
- ⑦ かかとや足の裏の角質ケアをする
- ⑧ 通気性のいい靴下やタイツを選ぶ
- ⑨ 靴下を脱いだら時間をおかずに洗濯
- ⑩ 消臭・抗菌効果のあるインソールを敷く
足のにおいの強さは個人差があります。もともと汗や皮脂が出やすい人もいますが、においはおもに菌の仕業。菌が作用する前に、汗や皮脂をシャットアウトしたいものです。
冬の足汗には制汗剤が必須!
●医薬品や医薬部外品を選んで
1度の塗布で数日間効果が持続する制汗剤。
パースピレックス<手・足用/医薬品> 100㎖ ¥6,380(編集部調べ)/聖心美容クリニック
ナノイオンブロック効果で足汗を出る前に抑えるジェル。
Ban 汗ブロック足用ジェル<医薬部外品> 40㎖ ¥880(編集部調べ)/ライオン
衣類臭
着用後の衣類には菌がどっさり
夏場より濃い冬の汗は、皮膚表面でさまざまな常在菌と作用し、身につけている衣類にも移ります。靴下やタイツ、室内用のもこもこソックスなど、1日はいたら洗濯をしないと菌の温床に。温かさをキープするインナーも、逆に脇には菌が繁殖していることを忘れずに。
●着用後の衣類の菌数
- 1位 靴下の足裏
- 2位 もこもこソックスの足裏
- 3位 タイツの足裏
- 4位 機能性インナーの脇
【教えていただいた方】
1966年生まれ。専門は環境化学、環境鑑識学。皮膚ガスと健康状態の関連を研究、体のにおいで健康診断するのが目標。においのエキスパートとして、TVに出演するなどメディアでも活躍
イラスト/カケハタリョウ 構成・原文/蓮見則子