男性だけでなく、女性にも加齢臭があるのは逃れられない事実。年齢とともに汗臭や皮脂臭も強くなりますが、実は、これらは皮膚表面で作られる臭い。酸化を防げば予防できるのです!
防ぐのは意外に簡単⁉ においの元に合った対策を
個人差はあるにせよ、年齢を重ねて徐々に強くなるのが加齢臭。それより少し早く30代から目立つのがミドル脂臭。ミドル脂臭は男性に多いけれど、加齢臭は女性にも起こる現象です。
「加齢臭は、皮脂の酸化によってにおいが発生するので、酸化させないことが必須です。肌を清潔に保つのは無論のこと、抗酸化物質を多く含む食品をとるのがおすすめ。臨床実験でもカシスや梅ジュースなどを使って効果を得られています。
一方のミドル脂臭は、汗や皮脂が皮膚表面の常在菌と反応して不快なにおいを発生します。どちらも皮膚表面で作られるので、洗えば落ちやすいもの。むしろ酸っぱい汗臭のほうが、皮膚の中から汗とともに直接においが出るので、要注意。汗を止める制汗剤などが効果的です」(関根嘉香先生)
加齢臭
紫外線防止で加齢臭セーブ!
加齢臭は古本や枯れ草のようなにおいのことで、においの元は「2-ノネナール」という皮膚表面から出る皮膚ガス。皮脂の成分が酸化されて発生しますが、酸化のおもな原因はなんと紫外線! 朝のシャワーと紫外線を防ぐだけでも十分においは抑えられるということになります。
ミドル脂臭
加齢臭より強烈! でも、洗えば防げる
ミドル脂臭とは、枕から使い古した油のようなにおいがするアレです。元となる皮膚ガスは「ジアセチル」。乳酸や、ブドウ球菌などの常在菌と反応して発生しますが、発見されたのは比較的最近のことです。後頭部や首から出やすく、反応が起きる前にシャンプーや石鹼で余分な皮脂をよく洗い流すことで防ぐことができます。
汗臭
酸っぱい汗のにおいには制汗剤が必須
汗のにおいの元はおもにふたつあり、ひとつは「イソ吉草酸」。皮膚表面から出る皮膚ガスで、常在菌が作用して臭くなるので、肌を洗って清潔に保つのが基本。一方、典型的な酸っぱい汗のにおいの元は「酢酸」という皮膚ガスで、こちらは皮脂腺や汗腺から発汗とともに出るため、制汗剤などで汗を抑えるのが特効薬。
教えていただいたのは
1966年生まれ。専門は環境化学、環境鑑識学。皮膚ガスと健康状態の関連を研究、体のにおいで健康診断するのが目標。においのエキスパートとして、TVに出演するなどメディアでも活躍
イラスト/カケハタリョウ 構成・原文/蓮見則子