春が近づいてきたものの、まだ朝晩に冷え込む日も多く、寒暖差から体調を崩しがちなこの季節。今回は、春に起きやすい不調やその対策についてご紹介します。
◆自律神経の乱れから全身に不調が広がる!
春は季節の移り変わりの時期で日によって気温差が激しいほか、生活環境が変わり慣れないことからストレスを感じるといったことでも自律神経が乱れてしまい、体調を崩しがちですよね。そんな春に起きがちな不調の自覚症状には、次のようなものがあります。
●体がだるくなる
寒暖差などにより自律神経が乱れると、疲労感や倦怠感などの症状が現れます。朝晩の寒暖差だけでなく、エアコンを使うことにより室内外の温度差が大きくなると、寄り疲労が蓄積されてしまいます。
●胃痛や食欲不振が起こる
昼間は寒さが緩んでも、朝晩に冷え込む春先は、気温の変化に体がついていかず疲れがたまったり自律神経が乱れたりしがち。自律神経は胃腸と関わりが深く、自律神経が乱れると胃痛や食欲不振が起こりやすくなります。
●よく眠れない、寝ても疲れが取れない
冬よりは暖かくなったとはいえ、寒い朝も多く朝が起きられないことも。また、環境の変化などによるストレスにより、セロトニンの分泌が悪くなり、よく眠れない、朝起きても疲れが取れないといったことも起きがちです。
◆不調対策には体の内側から整える胃腸マネジメントが大切
先ほど挙がった不調は、季節や環境が移り変わる時によく感じがちな症状が多い気がしませんか?この「なんとなくだるい」「ちょっと調子が悪い」という状態を抜け出すには、胃腸を整える「胃腸マネジメント」が効果的ですが、それには鶏むね肉を使うのがおすすめなのだそう。それには、次の3つの理由があります。
【1】疲労回復効果がある
鶏むね肉には、疲労回復に良いとされている「イミダペプチド」が多く含まれています。鶏むね肉というと体を鍛えている人やダイエットをしている人が食べるイメージですが、この時季の体調を整えるのにもおすすめの食材です。
【2】消化吸収が良い
脂肪分が少ないため、胃に負担をかけずに速やかに消化できるのが良いところ。皮なしの方がより消化されやすく、胃腸に優しいです。
【3】胃腸の調子を整える
鶏肉に多く含まれるビタミンAは、粘膜を健康に保つ働きがあります。そのため鶏肉を食べることで胃壁の粘膜の状態を整え、胃腸の不調を整えます。
身近な食材の鶏肉で体調を整えられるなら、すぐやってみたいところですね。スーパーで売っている鶏肉を食べるでももちろん効果的ですが、ブランド鶏のような、餌や飼育環境を工夫し、味や風味などを改良した鶏肉もおすすめです。例えば、飼料や環境を工夫して育てられた「森林どり」はビタミンEが豊富。ビタミンEは居壁の活性酸素が発生するのを防ぐ効果があり、胃腸を整えるのにぴったりですね。
◆朝ごはんにもぴったり!胃腸を整える鶏肉レシピ
実際に鶏肉を使ったレシピで胃腸を整えたい、という時にはどんな料理がいいのでしょうか?そこで、管理栄養士の三城円先生に、消化によく胃腸を整える鶏肉レシピを教えてもらいました!
●レンジで簡単!レンチン参鶏湯風
【材料(2人分)】
鶏むね肉…1枚
長ねぎ…1/2本
Aしょうが(すりおろし)…小さじ1
A鶏がらスープの素…小さじ1
A酒…大さじ1
A水…400ml
Aごま油…小さじ1
A塩、こしょう…各少々
白いりごま…適量
【下準備】
鶏むね肉はフォークで数か所穴をあけてからそぎ切りにし、さらに細切りにする。
長ねぎは斜め細切りにする。
【作り方】
①耐熱容器に鶏むね肉・長ねぎ・[A]を入れてラップをかけ、600W のレンジで3 分加熱して混ぜ合わせる。もう一度ラップをかけ、600W のレンジでさらに3 分加熱する。
②そのまま5 分くらい置いて味を整え、白いりごまを入れて混ぜ合わせる。
〈三城先生おすすめポイント〉
朝起きて食欲がない、という場合は胃腸が疲れているかもしれません。朝ごはんはエネルギー補給だけでなく、体内時計をリセットするという大きな役割があります。朝ごはんに温かいスープを食べると、生活リズムを整えて自律神経のバランスが整っていきます。鶏むね肉は鶏肉の中でも消化に良い部位のうえ、疲労回復効果のあるイミダペプチドも豊富なため、1日のスタートにぴったりの食材です。
●食欲がない時におすすめ!鶏肉の簡単雑炊
【材料(2人分)】
鶏もも肉…1/2枚(約100g)
小松菜…1/4袋(約4株)
ご飯…お茶碗約2杯分
卵…1個
A水…約400ml
A白出汁…大さじ2~
【作り方】
① もも肉を一口大に切る。 小松菜は水洗いし、根を切りラップに包んで600Wのレンジで1分30秒加熱する。加熱後は水にさらし、ぎゅっと絞ってザク切りにする。
② 鍋に[A]を入れ、もも肉を入れて煮立たせ、フタをして弱火で約3分煮込む。
③ ご飯と小松菜を入れ、ひと煮立ちしたら溶いた卵を回し入れてフタをする。卵が固まったら完成。
〈三城先生おすすめポイント〉
わずか10分でできる時短メニューながら、よく煮込まれて消化がいいため、胃腸が疲れていたり食欲がないときにおすすめ。特に雑炊のご飯や鶏肉、卵は消化にいいかつエネルギー源となる糖質、体の材料となるたんぱく質、代謝に必要なビタミンやミネラルを豊富に含み、これ一品で胃腸ケアができます。雑炊だと鶏肉の栄養素を余すことなく食べられるのもいいところです。
朝はついギリギリまで寝てしまったり、体がだるくてしっかりした朝ごはんをつくるのが面倒になりがち。でも電子レンジで簡単に作れたり、短時間で作れるレシピなら、やってみよう!と思えますね。普段の食事でも上手に鶏肉を取り入れて、体調を崩しがちな春を乗り切りましょう!
\お話・レシピを聞いたのは/
三城 円先生
日本パーソナル管理栄養士協会代表理事、管理栄養士。“食べながらやせる”を基本とし、ダイエット、アスリート、摂食障害で悩む方々、のべ1万人以上の食事サポートを実施。現在は、パーソナル管理栄養士の全国ネットワークづくりも行っている。
◆資料提供/ウェルファムフーズ
構成・文/倉澤真由美