Q. おならを我慢するとよくないの?
A. お腹の張りの原因で多いのがおならの我慢です
男性に比べて女性の患者に多い訴えに「お腹が張って苦しい」ということがあります。診察でよく話を伺うと、「恥ずかしくて人前や外出中におならを出すことができない」と我慢している人が多くいます。おならを我慢すると「ガス腹」と呼ばれる苦しい症状に悩まされます。お腹にガスがたまり、腹部が張って、食事もできない、体を動かすのも苦しいという人もいます。あまり出さないと口から臭いにおいが出てくることもあります。便秘をより促進させてしまうことも。
ですから、おならは我慢せずに出したいときに出すこと。私自身もそうですが、口には出しませんが皆、「歩きながら」「トイレの中で」など自然と少しずつ出しています。他人は思った以上に気にしない、と思うことも大事です。
Q. おならをお腹にためないためにできることはありますか?
A. 空気を飲み込まない工夫と簡単ケア法で出して
前回の質問にもありましたが、おならの70%は空気です。これは食事や会話をするときに、飲み込んだ空気。早食いや早口でしゃべるといったことのほかに、運動などでも空気を飲み込みやすくなるといわれています。ですから、ゆっくり食べ、話すなどの工夫も大事です。
また、簡単な体操でもケアできます。両足を肩幅に広げて立ち、両腕を左右に広げます。上半身だけ右側にゆっくり回します(行くところまで)。逆側も同様に。腸の近くの腸腰筋が刺激されてたまったおならを出せます。3~4回程度、朝昼晩行うといいでしょう。さらに、座った状態で太ももの付け根の両そけい部のあたりを指4本で優しくゆっくりと押します。そのまま少しずつおへその高さまで指圧してみましょう。これもガス腹に効果的です。
教えていただいたのは
東京大学医学部附属病院、慈恵医大病院内視鏡科、聖路加国際病院予防医療センターなどを経て「ちほ内科クリニック」を東京・西国分寺にて開業。地元に根づいた治療で人気。言いにくい悩みにも優しく寄り添う
構成・原文/伊藤まなび