Q. コロナ禍、なんだかおならが増えたような気がします。これはどうしてですか?
A. マスク生活が空気を飲み込みやすい環境をつくっています
「コロナ禍に、おならが増えた気がする」と訴えた人は少なくありません。なぜ増えているのか私なりに考えてみたのですが、「マスク生活」が影響していると考えています。マスクをしていると、コロナ前よりも会話のときに声を大きく出す人が多い。マスク越しの会話なのではっきり発音しようと大きく声を出すとき、空気を多く吸ってしまう。また、鼻もマスクで押さえられているためにマスクの中で口呼吸になっている人も多い。前よりも空気を多く飲み込んでいると感じています。
さらに、運動不足も増えていて、腸の動きが悪くなっている人も多い。さまざまなストレスを感じやすく、そういうことが自律神経にも影響している可能性もあります。個人の考えにもよりますが、人混みでない場所ではマスクを外し、ストレスをためない生活を心がけることが必要です。座ってばかりの生活は腸の動きを悪くするので、ウォーキングなど気分転換も同時にできる運動を、上手に生活に取り入れてみるといいかもしれませんね。
Q. これを食べるとおならが出やすいという食べ物はありますか?
A. 食物繊維、発酵食品もとりすぎには要注意
臭いおならは、腸内細菌がアンモニアやスカトールというガスを発生させることによって起こります。疾患などが原因の場合もありますが、多くは食べ物が影響しています。例えば、肉などの動物性タンパク質のとりすぎ。カルビのような脂肪分が多い肉は消化に時間がかかるため、においが強く出ます。
盲点なのは、食物繊維です。便秘にいいと根菜類、いも類、豆類などの不溶性食物繊維の多い食品をたくさんとると、消化に負担がかかるので、臭いおならが出やすくなります。食物繊維、発酵食品、オリゴ糖もとりすぎは禁物です。糖質もとりすぎると腸内の悪玉菌を増やします。偏りがある食生活も腸内環境を乱すので注意してください。
教えていただいたのは
東京大学医学部附属病院、慈恵医大病院内視鏡科、聖路加国際病院予防医療センターなどを経て「ちほ内科クリニック」を東京・西国分寺にて開業。地元に根づいた治療で人気。言いにくい悩みにも優しく寄り添う
構成・原文/伊藤まなび