日本消化器免疫学会理事、日本抗加齢医学会理事。酪酸産生菌と健康長寿の関係を研究。著書に『すごい腸とざんねんな脳』(総合法令出版)など多数
腸年齢と関係する条件や、現在の便の状態、生活習慣をチェックして、あなたの腸年齢が導き出されます。
あなたの腸年齢は何歳?
Check!
帝王切開で生まれた
都会で生まれて、育った
母親と食べ物や衣類の好みが違う
ここ2年の間にインフルエンザにかかった
おならが臭い、また臭いと言われる
コロコロとした便が多い
柔らかい便が多い
朝食後に排便をしない
大腸ポリープがあると言われた
抗生剤や胃酸分泌抑制剤を飲むことがある
計算方法 例)
腸年齢=(実年齢-10)+(チェック項目数×3)
例)50歳でチェック項目が7つの場合、
(50-10)+(7×3)=61歳
●実年齢より若い? 老けている?
上記はどれも、腸年齢と関係するものです。例えば、胎児は母親のお腹の中では無菌状態で、産道を通るときに初めて菌を獲得し、その後、菌を取り入れて腸内細菌叢(そう)(腸内フローラ)を形成します。この組成は生後3歳頃までに決まるため、分娩や育った環境が腸内細菌叢に関係します。また現在の便の状態や生活習慣などで老化度がわかります。
腸内細菌が心身の健康を守っている
「腸には約100兆個の細菌がいて、さまざまに働く菌が共存しながら棲息(せいそく)しています。これを腸内細菌叢と呼びます。その組成は生後3歳頃までに決まり、どんな菌を取得したかで人により異なります。一度備わった組成は変わりませんが、食事や運動などで、細菌のバランスは変化することがわかっています。
近年の研究で、この細菌叢が体の多くの臓器に影響を与えていることが判明しています。例えば、脳と密接に関係していて、悪玉菌が増えるとストレスに弱くなります。うつや認知症にも関係しているという報告もあります。循環器系疾患による死亡率が上がるという研究結果も。こうしたリスクも腸の健康を守ることで、回避できるのでは?という研究が進められています」(内藤裕二先生)
イラスト/SHOKO TAKAHASHI 構成・原文/山村浩子