白湯に「ちょい足し」で心身を整える
さまざまな健康効果があるスパイスやハーブを白湯に加えることで、体質や加齢だとあきらめていた悩みが軽くなることも。
「スパイスやハーブの中には、花粉症、手足の冷え、メンタル不調などOurAge世代に多い悩みに対応するものがたくさんあるので、ぜひ白湯にプラスして飲んでみてください。
味のマッチングもありますが、複数の不調があればそれに合わせて足し算してもOK。以下、加える分量の目安を示したものもありますが、基本的には自分の好きな味や香りで続けることが大切です。
いろいろ試しながら『マイベスト白湯』を作ってみましょう」(石原新菜先生)
花粉症をやわらげる「黒酢白湯」
「酢に含まれる『酢酸菌』は免疫を調整する働きがあり、花粉症などのアレルギー症状を抑えることが最近の研究でわかってきました。大さじ1程度の黒酢をカップ1杯の白湯に入れて飲みます。
普通の酢の中には酢酸菌ではなくクエン酸が主成分のものもあるので、長期熟成により酢酸菌が豊富な黒酢を選びましょう」
手足の冷えに「梅干し+七味白湯」
「梅干しには血流をよくする成分が含まれ、七味唐辛子にはカプサイシンという体を温める成分が入っているので、両方入れれば末端の冷えも改善。かき混ぜながら、塩辛くなりすぎないよう、好みの味を見つけて。
梅干しは柔らかいタイプでもいいですし、カリカリ梅もおいしいですよ」
メンタルを安定させる「ミント白湯」
「香りにはメンタルを安定させる作用があります。
特にミントの清涼感のある香りは気持ちをリフレッシュさせ、メントールという成分はストレスからくる頭痛を緩和します。
好きな香り、いいと感じる香りであることがポイントです」
更年期の不調に「ローリエ白湯」
「煮込み料理などに使われるローリエは、その香り成分が女性ホルモンの安定に効くといわれます。
料理用のものを白湯に1枚浮かべるだけでOK。ローズマリーにも同様の働きがあり、香りが好みのほうを選ぶといいでしょう」
食欲不振に「ブラックペッパー白湯」
「こしょうにはブラックペッパーとホワイトペッパーがあり、どちらも食欲増進の作用がありますが、香りや辛味の強いブラックのほうが効果は高め。ホールを砕いた粗挽きのものをふた振り程度、白湯に加えてかき混ぜます。
香りも食欲をそそるので、食が細くなりがちな夏などに特におすすめ」
気持ちの落ち込みに「赤じそ白湯」
「『和製アロマ』とも呼ばれるしそは、その爽やかな香りがリラックス効果やメンタルの安定をもたらします。
青い生のしそもいいですが、梅干しと一緒に漬け込んだ赤じそなら、クエン酸の疲労回復効果も得られ、酸味と塩味が加わってよりおいしくなります」
【白湯の正しい作り方&基本の飲み方のおさらい】
水道水の場合はやかんのふたを開けて10~15分ほど煮沸させたお湯を、少し熱いと感じるぐらいの50~60℃に冷ましてからゆっくり飲む。ミネラルウォーターや浄水器の水は煮沸させず、電気ケトルや電子レンジで温めてもOK。50~60℃まで温めたら少しずつ飲む。
「温かさ」が大事なので、冷めきらないうちに飲みきること。「ごくごく飲める温度」ではぬるすぎ。
【教えていただいた方】
「イシハラクリニック」副院長。西洋医学、漢方を含む東洋医学、自然医療にも詳しい。わかりやすい医学解説と親しみやすい人柄で、クリニックでの治療のほか、メディア出演や講演も多数。『眠れなくなるほど面白い 図解 免疫力の話』(日本文芸社)など著書多数。
取材・文/遊佐信子 イラスト/きくちりえ(Softdesign)