老化脳を防ぐスーパー栄養素を味方に!
若返りを促すサーチュイン遺伝子を活性化する食材を上手に取り入れて、脳細胞の老化を防ぎたい。
「細胞の元となるタンパク質に加えて、意識してほしいのが7つのスーパー栄養素。さまざまな代謝を助けるナイアシン、抗酸化作用に優れたポリフェノールの一種であるエラグ酸やレスベラトロール、ビタミンCやD3。認知機能を高めるオメガ3系の脂肪酸であるEPA、DHAやプテロスチルベン。これらを日々の食事に取り入れましょう」
●味方につけたい栄養素
◆ナイアシン
かつお節、まいたけ、たらこなど
◆エラグ酸
いちご、クランベリー、くるみ、ざくろなど
◆レスベラトロール
赤ワイン、サプリメント
◆ビタミンC
アセロラ、パプリカ、ブロッコリー、キウイなど
◆ビタミンD3
しらす干し、イクラ、紅鮭、ウナギ、サプリメント
◆EPA、DHA
サバ、アジなどの青魚、ウナギ、アン肝など
◆プテロスチルベン
ブルーベリー、オメガ3系の油、青魚、マグロのトロ、サプリメント
レスベラトロールやプテロスチルベン、ビタミンD3などは食材から十分な量をとるのは難しいので、サプリメントも上手に活用しましょう
動物性タンパク質が脳の老化を防止する
「世界の100歳を超えるスーパーエイジャーの約60%の人が、肉や乳製品などの動物性タンパク質を多くとっているというデータが出ています。肉が好きだから長生きなのか、長生きできるほど体が丈夫だから肉が好きなのか? たぶん両方だと思います」。
肉などの動物性タンパク質の中には、やる気ホルモンのドーパミンの原料となるチロシンや、リラックスホルモンのセロトニンを生み出すトリプトファンが豊富に含まれます。これらが不足すると脳の老化を促進することに。脳の健康には欠かせない栄養素といえます。
よく嚙んでやる気ホルモンを刺激する
子どもの頃から「よく嚙んで食べなさい」と言われてきましたが、それは消化・吸収を助けるだけでなく、さまざまな効果のあることがわかっています。
「嚙むことは運動能力をはじめ、やる気、記憶力、認知機能といった脳機能を高めます。咀嚼(そしゃく)する行為は、やる気を高めるドーパミン神経を活性化するからです。日頃から柔らかい食べ物ばかりでなく、嚙みごたえのあるものを食べることも、脳の活性化にひと役買います。例えば、脂身の多い肉よりも赤身肉、イカやタコなどを積極的に食べるといいでしょう。特に老化脳のタイプA(やる気低下型)、B(記憶低下型)、C(客観・抑制低下型)の人におすすめです」
2008年に企業や個人のパフォーマンスを上げる会社を設立。著書は『80歳でも脳が老化しない人がやっていること』(アスコム)など、海外も含めシリーズ32万部突破
イラスト/midorichan 構成・原文/山村浩子