生活習慣を変えるだけで脳はよみがえる!
何気ない習慣や思考の癖が脳の老化を早めているかも…!? 世界の多くの研究で効果が立証されている、脳が喜ぶ生活習慣とは?
マイナスな言葉が出たら「でも…」をつけてみる
「使った言葉がその後の行動に影響を及ぼすということが、実験でわかっています。例えば、『疲れた』と言うと、疲れたイメージが脳にインプットされ、その結果、体も疲れた状態になってしまうのです。
特に使わないほうがいい言葉は下の3つで、その後に続く言葉が重要です。疲れた…あの人のせいだ! では本当に脳は疲弊してしまいます。ところが、『でも…』とつけてポジティブな言葉をつけ足します。すると気持ちが前向きになります」
◆マイナスな言葉+「でも…」
あー疲れた+「でも…」(意外と充実していた)
もう、嫌になる+「でも…」(自分のためになる)
無理、できない+「でも…」(もう少し頑張ってみよう)
心が「フフッ」と喜ぶことを毎日ひとつ実践する
「好きなこと、楽しいことが生活の中にたくさんあると脳は元気になります。これは専門用語では『打ち消し効果』といって、マイナスなことがあっても、プラスのものに触れるとストレスが相殺されるのです。
一日ひとつでいいので『心がフフッとうれしくなること』を実践してみましょう。例えば、部屋に花を飾る、いつもより高価なおやつを用意するといったことでOK!」
ボーッとしているときこそ脳は活性化する
「80歳や90歳になっても新しいことに挑戦してはつらつと暮らすようなスーパーエイジャーに共通していた生活習慣が、リラックスする時間(心がゆったりして難しいことを考えていない時間)を持っていることでした。
趣味を楽しむ、自然をボーッと眺める、好きな音楽に浸る…実はそんな時間こそ最も脳全体が活性化して、さまざまな情報を整理しています。頭ばかり使っている人は、特にこの時間がとても大切。いいアイデアが浮かぶのもこんなときです」
脳が喜ぶ室温は夏場は25℃、冬場は18℃
脳は暑すぎたり寒すぎたりする温度を好まないようです。「室温は集中力や作業効率に影響します。アメリカでの実験によると、冷房下の室温が20℃のときよりも、25℃のほうが圧倒的に作業効率が高かったというのです。
しかし、25℃を超えると、1℃上がるごとに2%低下します。冬場は18℃が適温。また湿度が35%以下だと乾燥で瞬きが増え、70%以上だと疲れを感じて、やはり作業効率は低下しました」
2008年に企業や個人のパフォーマンスを上げる会社を設立。著書は『80歳でも脳が老化しない人がやっていること』(アスコム)など、海外も含めシリーズ32万部突破
イラスト/midorichan 構成・原文/山村浩子