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あなたも眼瞼下垂?セルフチェックと判定方法、そして手術など治療法を専門医が解説

眼瞼下垂(がんけんかすい)は、上まぶたが開けにくく、視野が狭くなったり、不調が出る状態のこと。あなたが眼瞼下垂になりそうかどうかの判断方法や、原因、最新の手術方法などを専門医に聞きました。

あなたも思い当たりませんか?
気になる眼瞼下垂(がんけんかすい)とその治療法

 

高田尚忠
高田尚忠さん
眼科医
公式サイトを見る

高田眼科(静岡県浜松市)院長、フラミンゴ眼瞼・美容クリニック(愛知県名古屋市)主宰。眼科医と形成外科医の知識、豊富な眼瞼手術の術者としての経験をもとにファシアリリース法を考案。保険適用手術にこだわり、手がける眼瞼下垂手術は年間2000件以上。全国から患者が来院。メールでの眼瞼下垂相談も可能。

 

眼瞼下垂を正しく知る

「眼瞼下垂症は、皮膚のたるみや眼瞼挙筋(下イラスト参照)の緩みなどにより、上まぶたが開けにくくなり、不調や不便が出ている状態のこと。視野が狭くなったり、頭痛や肩こり、不眠、集中力の低下などの原因になります。まぶたのくぼみやたるみのため、老けて見られがちです。眼瞼下垂はセルフケアで治るものではなく手術が必要に。保険診療では仕上がりが心配と思われがちでしたが、現在では手術を手がける医師が増え、必ずしもそうではなくなっています」(高田尚忠先生)

 

眼瞼下垂

眼瞼下垂症

眼瞼挙筋、ミュラー筋などに問題が起こるのが眼瞼下垂。ファシアは、コラーゲン線維の集まりからなる組織膜のこと

 

原因は加齢だけじゃない

「眼瞼下垂は誰にでも起こります。先天的な場合を除き、進行する原因は加齢のほかハードコンタクトレンズやアイメイク、アイプチの負担、頻繁に目をこする癖、長時間のスマホやPCの使用などさまざま。片目だけ眼瞼下垂になることもあります」。まずは眼瞼下垂かどうか調べてみましょう。

 

当てはまる数が多い人は眼瞼下垂の可能性が!

おでこに横ジワが目立ってきた
眉の位置が上がってきた
上まぶたが重く感じる
眉を上げないと目が開きにくい
まぶたにくぼみやシワが目立つ
二重の幅が広くなってきた
目元に左右差が出てきた
目がかすむ、すぐ目が疲れる
眠そう、疲れていそうと言われる
つい、あごを上げて見てしまう
頭痛、肩こり、首こりが続いている

 

定規を使ってセルフチェック

定規を使ってセルフチェック

診断基準のひとつがMRD(瞼縁<けんえん>角膜反射距離)。上まぶたの縁から黒目の中央までの距離です。鏡の前で行います。眉が動かないように指で押さえ、一度目を閉じてからまぶたの力だけでゆっくり開きます。定規をそっと当てて距離を測りましょう。

 

MRD(瞼縁角膜反射距離)による眼瞼下垂の判定

MRDによる眼瞼下垂の判定

正常:3.0㎜以上
軽度:1.5㎜前後
中度:0.5㎜前後
重度:-0.5㎜前後
距離だけでなく瞳にどれだけまぶたがかぶさっているかも目安に

 

ライター蓮見則子は「中度」。「隠れ眼瞼下垂」でした!

ライター蓮見則子は「隠れ眼瞼下垂」でした

目が開けにくくて悩んでいたライター蓮見則子。一見、眼瞼下垂ではない状態に見えますが、普段おでこの力を使って眉を上げることによりまぶたを上げている、いわゆる「眼瞼下垂の代償期」とのこと。「隠れ眼瞼下垂」と言われる状態です。力を抜いて測定するMRD(瞼縁角膜反射距離)では、しっかり「中度」の判定に

 

眼瞼下垂●一問一答

Q 何科を受診したらいいの?

保険診療を主体とした形成外科・眼科・皮膚科、自由診療が中心の美容外科などです。

Q 保険適用になる基準は?

MRD(瞼縁角膜反射距離)を基準に、日常に支障をきたしていることですが、最終的には医師の判断です。

Q いちばん基本的な手術法は?

手術法は数多くありますが、保険診療なら切開法、自由診療であれば埋没法がメイン。どの手術法にも短所・長所があります。

Q 手術はいくらくらいかかる?

保険診療の3割負担なら両目で4万円台。自由診療では15万〜70万円程度と幅があります。

Q 一度手術したら再発しないの?

可能性がないわけではありません。再手術のしやすさは、最初の手術次第とも言えます。

Q 両目同時に手術するのが普通?

片目でもできますが、へリング現象(片方の目を開けやすくすると片方が開きにくくなる)や、左右差を避けるためには両目が理想。

Q 術後の腫れ、メイクはいつ可能?

手術後10日~14日で抜糸、強い腫れは、ほぼ1週間で引きます(高田尚忠先生の手術の場合)。アイメイクはできれば1カ月後くらいから。

Q よりよい手術を受けるには?

その医師の手術件数や手術例を参考にして、何軒か比較検討します。HPが眼瞼下垂に詳しいことも必須。クチコミも参考になります。

 

高田尚忠先生による眼瞼下垂の手術例

下の2例はどちらも、皮膚自体の切除は標準(保険診療なので3~4㎜程度)。眼輪筋、眼窩脂肪も二重幅を作るだけの最小限の切除にとどめています。挙筋腱膜を固定する際、ファシアリリース(結合組織による接着を外す方法)によって腱膜をフリーにするため、まぶたの縁が自然なアーチに。わずか1カ月できれいに回復するのも特徴です。

高田尚忠先生による眼瞼下垂の手術例/40代女性・50代女性

写真提供/高田尚忠

 

二人ともTKD切開・ファシアリリース法による眼瞼下垂手術。
健康保険適用/局所麻酔下/手術時間:両目で約30分

 

 

イラスト/かくたりかこ 構成・原文/蓮見則子

 

 

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