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更年期には骨の強化にも重要なビタミンD、食事からどうやってとればいい?

ビタミンDは骨の形成を助ける重要な栄養素。かつ、特殊な栄養素でもあります。ほかのビタミンと違い、おもに紫外線を浴びてつくられ、足りない分を食品からまかなうようにできています。紫外線をがっちりガードしがちな日本人女性、食事からビタミンDを補給するには何をどう食べたらいいのでしょう? 監修の医師、斎藤先生に伺いました。  

食品からとれるビタミンDはどれくらい? 

前回、さまざまな病気にならないためのビタミンD必要量についてお伝えしました。どれくらい日光に当たればどの程度ビタミンDがつくられるのか、わかっていただけたかと思います。

それと同時に、ほかのビタミン同様に食事でとれたらいいのに…と感じた人も少なくないでしょう。今日はこれについて。食べ物からとれるビタミンDのお話です」

 

そう教えてくれるのは、この連載の監修、医師の斎藤糧三先生。

 

おさらいですが、日本よりビタミンDの研究がさかんなアメリカ内分泌学会の臨床実践ガイドラインによれば、骨粗しょう症や骨軟化症にならないための必要量は、

1日に 37.5µg〜50µg(1500IU〜2000 IU)

斎藤先生が、自身のクリニックの症例などから、花粉症などアレルギー症状を軽減するために必要な量を推測すると、さまざまな病気予防のための推奨量は、

1日に 100µg (4000IU)

 

「ビタミンDは、基本的に日光に当たることによって皮膚でつくられますが、食べ物からもとることはできます。 皮膚でつくられるものと食べ物からとるもの、ふたつは体内で区別されず、同じ効果を発揮すると考えられています。

それはラッキー! と思うのは早く…。食べ物にはごく一部のものにしかビタミンDは含まれていないんです。

しかもその量はびっくりするほどごくわずか。毎食、気をつけて食べないと、充足させることは至難の業です」

 日本人のビタミンDの摂取基準、「目安量」のカラクリ

ここで、厚生労働省が示す「日本人の食事摂取基準(2020年版)」でのビタミンDの摂取量を見てみましょう。

 

食事での1日のビタミンD摂取量の指標は、

目安量8.5 μg /日(340IU) 耐容上限量100µg/日(4000IU)

必要量でも推奨量でもなく「目安量」となっているところに注目して。

 

「厚生労働省の解説文では、ビタミンDは日光浴でつくられるという特殊性から、紫外線の強弱には地域差があるうえ、季節によっても違うので、日本人の平均的なビタミンD必要量を一概には決めにくい。 だから、推奨量ではなく“目安量”を示したとあります。

そして、日光を浴びる機会が少ない人は、目安量以上に食べる量を増やすべきだと。

本来はその人が日常どれくらい日光を浴びているか否かに応じて、摂取の目安量も調整されるべきでしょう。難しいところですね。

どちらにしろ、紫外線をガードしている日本人がこれだけ多いことを踏まえてか、来年春に発表される予定の2025年版食事摂取基準では、さらにビタミンD摂取量が引き上げられるようです」

 

さて、肝心のビタミンDを多く含む食品を見てみることにしましょう。

 

 

「食材としてはきのこ類などにも含まれていますが、含有量が多いのは圧倒的に魚です。

しかも、食べ物からとれるビタミンDには、植物由来のビタミンD2(エルゴカルシフェロール)と、動物由来のビタミンD3(コレカルシフェロール)があります。

ヒトの体内ではビタミンD3 のほうが効力が大きいという報告もあるため、動物性の食材からビタミンDをとることをおすすめします」

 

覚えておきたいPOINT

ビタミンD3:おもな動物性食品(魚類、魚卵など)

ビタミンD2:おもな植物性食品(天日干ししいたけなどのきのこ類)

 

 

 

斎藤先生の推す「1日の推奨量100 µg」を食品でとるとしたら… 。

 

「きのこ類に多く含まれるといってもごくごくわずか。鮭を300gとるのも、サンマ3尾食べるのもかなりつらい。 そんな中、ダントツでビタミンDを多く含むすごい魚がいるんですよ。

それはチョウザメ! しかも キャビアではなく魚の身のほうです。

私が知っている宮崎で養殖されている『宮崎チョウザメ』は、100gで鮭の2倍のビタミンDがとれるんです。

比較をして見ると一目瞭然。 そのうちチョウザメの生産量が増え、全国どこでも購入できて、料理レシピも人気になるときが来るかもしれませんよ!」

*魚のビタミンD含有量(宮崎チョウザメ以外)は、文部科学省「日本食品標準成分表」(2020年版 八訂)より

 

 

その他、食品に含まれるビタミンDの量

鮭:1切れ(100g)32µg

サンマ1尾(正味100g):4.9µg

サバ缶1缶(100g):11µg

干ししいたけ2個(6g):0.8µg

乾燥きくらげ2枚(2g):1.7µg

 

食品からとるだけでは無理があるなら、ビタミンD強化食品やサプリメントで

これだけ食事からとりにくいビタミンD。欧米では食品に入っていることがとても多いそう。ビタミンDのほとんどが強化食品から摂取されています。

例えば、アメリカでは流通している牛乳のほとんどにビタミンDが添加され、朝食用シリアル、オレンジジュース、ヨーグルト、マーガリン、豆乳などが、強化食品になっています。

 

「日本でも最近ようやく、ビタミンDを強化した市販品を見かけるようになってきました。アメリカに比べると、まだまだですけれども」

↑スーパーマーケットで見かけるビタミンD入り食品。

カルシウムやタンパク質と一緒にとれるものが多いので、骨強化には理想的です!

 

「ビタミンD強化食品の含有量をチェックしながらとるのもいいと思いますが、利用してほしいのはやはりサプリメントです。 私が開発して、最初に発売したのは15年ほど前。

その頃、日本には高濃度のビタミンDは皆無で、クリニックの現場で患者さんに使えるものがないことから、自らつくりました。

どんなサプリメントもそうですが、国内の信用のある工場でつくられていること、栄養素以外の添加物がなるべく入っていないことが基本です。

ビタミンDの場合は、1粒または1カプセルでどれくらいのビタミンDがとれるかは最重要。

私の推奨量、1日100µg  (4000IU) を簡単にとれるサプリを探してみてください」

 

左)吸収性を追求したリポ・カプセルシリーズのひとつ。1包にビタミンCを1000mg、ビタミンD3を50μg(2000IU)配合。サラリとした液状でパッケージからそのまま飲むタイプ。

[Lypo-C Vitamin C+D] 30包 ¥8,964/スピック

中)この記事の監修、斎藤先生開発。ビタミンD摂取によりビタミンA欠乏になる人が多いことから、DとAを両方とれるよう開発した国内製造サプリ。ビタミンDを50μg(2000IU)+ビタミンAを600μg(2000IU)配合。[日本機能性医学研究所 AD2000] 60カプセル ¥4,320/mdストア

右)日本生まれの自然派健康食品ブランド、ゴークリーン。1カプセルに50μg(2000IU)のビタミンDを配合。[gocln (ゴークリーン) ビタミンD ] 60カプセル ¥1,980/Fuji Organics

 

 

【教えていただいた方】

斎藤糧三
斎藤糧三さん
医師/日本機能性医学研究所所長
公式サイトを見る
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1973年生まれ。日本医科大学卒業後、産婦人科医に。その後、美容皮膚科治療、栄養療法、点滴療法、ホルモン療法を統合したトータルアンチエイジング理論を確立。2008年「日本機能性医学研究所」を設立(2009年に法人化)。2017年、スーパーフードとしての牧草牛(グラスフェッドビーフ)の普及を目指し、日本初の牧草牛専門精肉店「Saito Farm」をオープン。2022年、機能性医学と再生医療を融合させた治療拠点として「斎藤クリニック」を開設。著書に『サーファーに花粉症はいない』(小学館)、『病気を遠ざける! 1日1回日光浴 日本人は知らないビタミンDの実力』(講談社+α新書)ほか多数。斎藤クリニックSaito Farm

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イラスト/内藤しなこ  取材・文・画像制作/蓮見則子

 

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