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更年期のせいか、最近やる気が出ない…。こんなときは「アドレナリン」「ノルアドレナリン」「ドーパミン」の3つのホルモンを味方に!

年齢を重ねるにつれ、やる気や意欲が出なくなって、毎日なんとなくだらだら過ごしてしまいがち…。こんな状態から脱出して、やる気や意欲を取り戻すには、どうしたらいい? そのために知っておきたいのが、アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミンという3つのホルモンを味方につけること。その方法を内科医の工藤孝文先生に伺いました。

最近、仕事もプライベートも同じことの繰り返しで、なんだかやる気が出なくて意欲が低下…。年齢を重ねると、若い頃のようにさまざまな物事への新鮮味が薄れてくるせいもあるからか、こんな事態に陥っている人も少なくないかもしれません。こんなときに味方につけたいホルモンが、「アドレナリン」なのだそう。

 

「よく、興奮したときに“アドレナリンが出た”などと言いますよね? アドレナリンとは、興奮、危険、スリルを感じるような状況で、交感神経が優位になったときに副腎で作られ分泌されるホルモンです。心拍数や血圧を上げたり、瞳孔を開いたり、筋肉に血液を送ったりと、体の機能を一時的にパワーアップし、心身を戦闘モードにさせる働きがあります。これによって、運動能力が高まり、脳も覚醒して集中力や判断力が高まるのです。

 

アドレナリンは緊急時や興奮時に分泌され、ギャンブルにハマったときや、ヒヤリとしたとき、カフェインをとったとき、けんかをしたとき、きつい運動をしたときなど、日常のさまざまな場面で分泌されます。アドレナリンには、一時的に痛みや疲れに対して鎮静効果をもたらす作用もあります。限界を超えて走れたりするのもアドレナリンの作用によるものです。アドレナリンが減ると、やる気が出なくなってしまうので、適度に分泌させることが大切です」

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<アドレナリンのおもな働き>

・筋肉の収縮力を高めるなど、身体機能を高める
・血圧や心拍数を上げる
・痛みや疲れを感じにくくする

 

適度なストレスや緊張感を感じることを取り入れて、アドレナリンを分泌させよう

 

では、アドレナリンを適度に分泌させるには?

ある種のストレス状態や緊張感を自ら作り出すのがポイントです。例えば、レベルの高い目標を立てて挑戦したり、非日常的な環境に身を置くようにするなど、適度なストレスや緊張感を感じることを取り入れてみましょう。筋トレを限界まで頑張ったり、お腹の底から大声を出したり、鼻で素早く10秒呼吸をするといった方法でもアドレナリンを増やすことができます。ただ、ストレスがかかりすぎると心も体もまいってしまうので、あくまでも“適度”が大切です」

 

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意欲や活動性、積極性を高めるやる気ホルモン「ノルアドレナリン」

 

もうひとつ、やる気にかかわるホルモンが「ノルアドレナリン」。

 

「ノルアドレナリンは、不安や恐怖、危機感を感じたときに副腎から分泌されるホルモン。特に脳や交感神経の神経伝達物質として働きます。ノルアドレナリンが大量に分泌されると、交感神経が活発になって、体がアクティブな状態になります。意欲や活動性が高まったり、脳の処理能力がアップして、判断力、集中力、記憶力、学習力が高まるので、“やる気ホルモン”とも呼ばれています。

 

ノルアドレナリンは適度に分泌されるとプラスに働きますが、過剰に分泌されるとやる気を通り越して攻撃的になったり、イライラやパニック状態を招くことも。逆に、ノルアドレナリンが不足すると、やる気が低下し、うつ状態になりやすくなります。ですから、ノルアドレナリンも適度に分泌されることが大切です」

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<ノルアドレナリンのおもな働き>

・意欲、活動性、積極性、思考力、集中力を高める
・記憶力や学習力を高める
・心拍数、血圧を上げる
・ストレスに対抗する
・アドレナリンを作る

ストレスをため込まず、適度な運動をしてノルアドレナリンを分泌させて

 

では、ノルアドレナリンを適度に分泌させる方法とは?

 

「ノルアドレナリンは、過度のストレスがかかり続けると枯渇し、やる気が出なくなってしまいます。ですからストレスをため込まないように、発散することが大切です。また、週に2、3回、適度な運動をするとノルアドレナリンが分泌されるといわれているので、取り入れてみてください」

やる気スイッチを入れてくれる快楽ホルモン「ドーパミン」

 

さらに、やる気にかかわるもうひとつのホルモンが「ドーパミン」。

 

「ドーパミンは、楽しい経験や刺激的な経験をすると分泌されるので“快楽ホルモン”とも呼ばれます。何かの目標を達成したときや、欲しいものを手に入れたときには、快楽や幸福を感じるものですが、これはドーパミンの働きによるものです。

 

ちなみに、ノルアドレナリンはドーパミンから生成され、アドレナリンは、ノルアドレナリンから作られます。ドーパミン→ノルアドレナリン→アドレナリンと変換されるので、この3つはよく似た働きをします。

 

目標を達成して、ワクワク、ドキドキするときには、ドーパミンが出ています。この過程を脳が学習することで私たちは、またあの達成感や快楽を味わいたいという気持ちになり、次へのモチベーションが生まれます。それによって新たな目標を作ることができ、さらなる努力を重ねられるのです。このようにドーパミンは、やる気スイッチを入れてくれるホルモン。目標を達成するうえで欠かせません。仕事ができる人は、このドーパミンをうまくコントロールしている人が多いですね」

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<ドーパミンのおもな働き>

・達成感、喜び、爽快感、感動などをもたらす
・何かを手に入れたいという生きる意欲を生み出す
・ノルアドレナリンを作る

細かく目標を設定して、達成したら自分を褒めるのがドーパミンを増やすコツ

 

では、ドーパミンをうまくコントロールするには?

 

「まず、難易度は高いけれど、実現できそうな目標を立てることがおすすめ。いきなり最終目標を設定して目指すとドーパミンが出にくいので、例えば将来お店を持ちたいという夢があるなら、まずはその分野についての勉強をしたり、仲間を増やしたりなどと、達成しやすい目標を細かく設定します。そして目標をクリアするたびに“やった!”“すごい!”と自分を褒めましょう。

 

そのたびに、ワクワク、ドキドキすることでドーパミンが分泌されます。ドーパミンはマンネリを嫌うので、ひとつの目標を達成したら、すぐに次の目標を作ることもポイント。また、ドーパミンは、ドキドキする体験をすると分泌されるので、いつもと違う道を通るようにしたり、いつもは買わないような服を買ったりするだけでも分泌されます。ドキドキする体験を生活の中にたくさん取り入れてみてください。

 

ただし、ストレスを解消するために、より大きな刺激を求めようとするのはNG。薬物やギャンブルにハマる依存症は、ドーパミンの作用がマイナスに働いたものなので過度な刺激を求めるのは避けましょう

 

40代、50代になると頑張りすぎは禁物。ホルモンを上手にコントロールすることでやる気や意欲を高めて、生活にメリハリをつけましょう。

 

 

【教えていただいた方】

工藤孝文
工藤孝文さん
内科医・糖尿病内科・統合医療医・漢方医
Twitter

福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。帰国後は大学病院などを経て、現在は福岡県みやま市にある自身のクリニックにて地域医療に注力。専門は糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病、漢方治療、ダイエット治療など多岐にわたり、テレビ・ラジオなどのメディアで医療の最新情報を発信。著書に『「毎日疲れない」にいいこと 超大全』(宝島社)など多数。 工藤孝文先生 著書  

 

写真/Shutterstock 取材・文/和田美穂

 

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