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会議は座る位置でストレスが減る!(疲れない働き方)

仕事の時間は、本来果たすべき業務を滞りなく行いつつ、余計なところで疲れないことが大切なポイント。それにはストレスをこまめに解消したり、ストレスを軽減する環境を確保することです。そんな仕事中の疲れを減らす方法を、内科医で疲労に詳しい工藤孝文先生に伺いました。

やらなくてはならない仕事はできる限り快適に、疲労を感じずに行いたいもの。それには、上手に目や脳、体を休ませ、パソコンの位置や会議中の座る位置など、ちょっとした工夫をして無駄に疲れないことです。工藤先生がすすめる、仕事中の疲労を軽減する6つのポイントは、どれもすぐに実践できるものばかりです。

 

.目が疲れたら、遠くを見たり、目玉グルグルストレッチを! 

一日パソコンなど近くを見る仕事をしている人は、慢性的な目の疲れと肩や首のこり、腰痛などに悩まされていることでしょう。これでは仕事の効率も上がりません。

 

「目の疲れは、近い所を凝視することで、ピントを合わせる目の毛様体筋が緊張し続けるために起こります。時々、遠くを見て、その緊張を緩めることが重要です。

 

目安は30分に一度、画面から目を離して6m以上遠くを見ることです。見るものは窓の外の景色がベストですが、そのような環境でない場合は、室内のできるだけ遠くにあるものを見ましょう。あえてピントを合わせなくても、ボーっと見るだけでOKです。

疲労解消 目のストレッチ イラスト

また、リズミカルにまばたきをしたり、ギュッと目をつむって開く、目をつむったまま眼球を左右上下、グルグルと動かすと毛様体筋のストレッチになり、目の疲れの軽減に役立ちます」

 

 

.体を定期的に動かして落ち着きのない大人になる 

シドニー大学が世界20カ国を対象に行った「座っている時間に関する調査」で、日本人は平均約7時間、世界で最も長く座っているという結果が出ています。

 

「座っている時間が長いと、血行が悪くなり、体の代謝機能が低下します。1時間座り続けると、余命が22分縮まるというデータもあります。少なくても1時間に一度は立ち上がることが重要です。トイレに行ったりお茶をいれるなど、あえて用事をつくったり、軽くストレッチをするようにします。

 

逆に長時間立っている仕事の人は、体の重心を頻繁に動かすことが疲れないポイントです。よい姿勢をとり、両足を左右だけでなく、前後にもやや開き、重心を交互に置き換えます。片方の足だけに偏ると骨盤の歪みの原因になるので、左右均等に動かすことが重要です」

 

どんなによい姿勢でも、ずっと同じ状態が続くと、血行不良やむくみ、筋肉のアンバランスなどで痛みの原因になることも。少し落ち着きのない大人になることが、疲れをためない第一歩と言えそうです。

 

 

3.パソコンのモニターは目線より少し下に

パソコン作業が多い人は、姿勢やモニターの位置がとても重要です。

 

「モニターの位置が高いと、目を見開く必要があるので、目が乾き眼精疲労の原因に。少し下にあると、目の開き方が抑えられるので負担が軽減します。また、デスクの位置が高くて、肩をすくめるような姿勢でいると、首や肩のこりにつながり、疲労度が高まります。

 

パソコン作業をするのに理想的な姿勢は、椅子の背もたれまで深く座り、膝を90度以上に曲げて、両足の裏全体を床につけます。この姿勢で、キーボードの位置は肘を90度に曲げたときに自然に手がかかり、モニターは真っすぐ前を見た視線よりもやや下になるようにします。

 

キーボードやマウスの使いやすさは人によって違うので、自分に合ったものを選ぶことも大切。一日長時間パソコンに向かう人は、使いやすさにこだわるのが正解です」

 

 

4.会議は座る位置でストレスレスに!

会議や数名が集まる席で、どこに座ろうかと迷ったことはありませんか? 実は、どこに座るかで、相手との関係が変わってくる可能性があるというのです。

 

「これはアメリカの心理学者スティンザーが発表した『スティンザー効果』と呼ばれるものですが、たとえば、正面に座った人とは反対の意見が出やすくなります。

 

そのため、これから打ち解けたいと思う相手の正面には座らないほうが賢明です。テーブルを挟んで斜めの位置で、できたら相手から見て右手を選ぶのがベスト。左側は心臓に近いため、初対面の場合は防衛本能から、警戒される可能性があります。

 

一方で、初対面でない場合は、左に座ったほうが打ち解けやすくなります。左から話しかけられると、感情に働きかける右脳に響きやすくなるからです」

疲労 会議の席位置 イラスト

こうした法則から、会議などでは、正面と両脇に意見が合う人に座ってもらうと、敵対意見が少なくなり、ストレスが軽減されます。

 

デートなどの場合、カウンターに二人で座る場合は相手の左側に、テーブル席は正面ではなく、相手の左の角を挟んで90度の位置に座ると打ち解けやすくなります」

 

もちろん、これを実践すればすべてうまくいくわけではありませんが、心にとめて、こっそり試してみてください。

 

 

5.仕事で使う文房具は青色で集中力アップ!

色は思考や心理、行動に影響を与えます。仕事の効率が高まる色はあるのでしょうか?

 

「仕事中は青色がおすすめです。青には神経伝達物質であるセロトニンの分泌を増やす効果があります。セロトニンは幸せホルモンとも呼ばれ、心を鎮静させて気持ちをポジティブにし、集中力を高める効果があります。

 

これを利用して、仕事や勉強をするときには、青色の文房具を使うと効率がアップします。

 

また、セロトニンは食欲を抑える効果もあります。食べ物を青い皿にのせると、ドカ食いの防止に役立ちます。ダイエット中にはこうした色の効果を利用するのもいいでしょう」

 

 

6.仕事中のおやつはハイカカオチョコが正解 

仕事中は、おやつに何を食べるかで疲労回復度が変わります。

 

「おすすめはチョコレートです。原料であるカカオには、抗酸化作用のあるカカオポリフェノールが豊富に含まれ、細胞にダメージを与えて疲労の原因となる活性酸素の働きを抑制してくれます。

 

特にカカオ含有量が70%以上ハイカカオチョコレートビターチョコレートがおすすめ。通常のミルクチョコレートよりも糖分やカロリーが少なく、血糖値スパイクも起こしにくく、血流を促して脳を活性化し、美容効果も期待できます。

 

ただし食べすぎはNG。カカオポリフェノールの摂取目安は1日200~600㎎。カカオ分72%のチョコレートなら1日2~5片程度にするのが目安です。

 

カカオポリフェノールを含有するという意味ではココアでもよいのですが、ミルクココアは血糖値が上昇するので、毎日飲むならピュアココアを選ぶことが大切です」

 

 

【教えていただいた方】

工藤孝文
工藤孝文さん
内科医・糖尿病内科・統合医療医・漢方医
Twitter

福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。帰国後は大学病院などを経て、現在は福岡県みやま市にある自身のクリニックにて地域医療に注力。専門は糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病、漢方治療、ダイエット治療など多岐にわたり、テレビ・ラジオなどのメディアで医療の最新情報を発信。著書に『「毎日疲れない」にいいこと 超大全』(宝島社)など多数。 工藤孝文先生 著書  

 

 

イラスト/midorichan 取材・文/山村浩子

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