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朝起きてから夜寝るまで「ホルモン」を味方につける理想的な行動パターンって?

更年期の不調を少しでもやわらげるための、さまざまなホルモンのコントロール術を紹介してきたこの連載。そのまとめとして、ホルモンをうまくコントロールするための、一日の理想的なスケジュール例を内科医の工藤孝文先生に教えていただいたのでご紹介。毎日の生活で実践することで、体もメンタルも快適に過ごせるはず!

<朝>

7:00  起床

カーテンを開けて朝日を浴びる

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朝起きたときは、朝日を浴びると“睡眠ホルモン”メラトニンの分泌が抑えられ、すっきり目覚めることができます。また、朝日を浴びると、それを合図に“幸せホルモン”セロトニンが分泌され、その約14〜15時間後にセロトニンがメラトニンに変わり、眠気がもたらされます。夜に寝つきをよくするためにも、朝はカーテンを開けて朝日を浴びましょう。

 

 

7:30  朝食

卵や乳製品をとる

 

朝食では、牛乳、チーズなどの乳製品や卵をとるのがおすすめ。これらの食品にはトリプトファンという成分が含まれ、これがセロトニン&メラトニンの材料になり、夜に質のよい睡眠をもたらしてくれます。

 

8:00  通勤

通勤を適度な運動の時間にする

 

通勤時は、ひと駅分歩いたり、ちょっと速めに歩くようにしたり、駅ではエスカレーターやエレベーターでなく階段を使うなどして、運動量を増やしましょう。脳の血流がよくなり、脳を覚醒させて集中力を高めるアドレナリンや、やる気を高めるノルアドレナリンなどのホルモンが分泌され、活動しやすい状態に。

 

<午前中>

9:00  仕事開始

1杯のコーヒーを飲む

 

仕事始めに、1杯のコーヒーを飲みましょう。コーヒーに含まれるカフェインには“快楽ホルモン”ドーパミンを増やす作用があるといわれているので、やる気が出て、仕事の効率がアップ。

 

9:00〜12:00 仕事上のトラブル発生

トラブルが起きたら、すぐに息抜きを

 

仕事でミスをした、交渉がうまくいかないなど、ストレスとなるようなことが起きると、交感神経が優位になって、“ストレスホルモン”のコルチゾールが分泌されます。そのままにしておくと、筋肉が脂肪に変わりやすくなったり、吹き出物が増えたりしやすくなるので、そのままにせず、できるだけセロトニンやドーパミンを増やして副交感神経を高めて。セロトニンは、背すじを伸ばして腹式呼吸をしたり、口角を上げて笑顔を作ったりするだけでも増やせます。

<昼>

12:00  昼食

タンパク質をしっかりとる

 

昼食でしっかりとりたいのがタンパク質。肉や魚、卵などのタンパク質を先にとると“満腹ホルモン”インクレチンが分泌され、食べすぎを防げます。また、味噌汁などの大豆製品をとると、大豆タンパクに含まれるβ-コングリシニンの効果で“痩せホルモン”アディポネクチンが増え、脂肪燃焼効果期待できます。

 

12:30〜13:00 昼寝

可能なら仮眠をとる

ホルモンを働かせるために昼寝を

昼食後は眠くなりやすいので、可能なら昼寝を。横にならずとも、20分仮眠をとるだけで副交感神経が優位になって心身を休められ、“ストレスホルモン”コルチゾールの減少にもつながります。目を閉じてリラックスするだけでもOK。脳が休まることで、夜の睡眠の質もアップ。

 

<午後>

13:00 仕事再開

仕事中にちょこっと筋トレ

 

肥満の人と痩せている人の違いは、立っている時間の違いで、肥満の人のほうが短め。平均すると1日当たり350kcal違うとされ、これはショートケーキ1個分に相当します。そこで、仕事中もなるべく座りっぱなしを避け、体を動かしましょう。例えば、椅子に座るときに7秒数えながらゆっくり座り、椅子にお尻がついたら1秒ですっと立ち上がる、“7秒座るだけスクワット”を10回繰り返すのもおすすめ。筋肉を動かすことで、“若返りホルモン”マイオカインが分泌されます。

 

14:00 プレゼン

緊張感をうまく利用

 

プレゼンなどの大事な場面の前には、緊張やストレスを感じることで交感神経が優位になり、“戦闘ホルモン”アドレナリンが出るため、心拍数が上がって集中力がそがれることも。成功に導くには、例えば、お気に入りのガムを噛む、勝負リップを塗るなど自分なりのルーティンを持つこと。これによって“快楽ホルモン”ドーパミンが出て、やる気スイッチが押されて成功しやすくなります。

 

 

15:00 おやつ

好きなおやつを食べてストレスを帳消しに

 

仕事中、ストレスを感じると“ストレスホルモン”コルチゾールが出ますが、好きなおやつを食べることでセロトニンの分泌が促され、ストレスが解消しやすくなります。特におすすめのおやつは、咀嚼(そしゃく)によってセロトニンの分泌が促されるガムや、コルチゾールを減らす働きがあるGABAが配合されたチョコレートなどです。15:00は“肥満ホルモン”と呼ばれるビーマルワンが一日のうちで最も少ない時間帯なので、おやつに最適の時間。

 

18:00  外食

外食前にヨーグルトを食べる

 

外食のときは、つい食べすぎてしまいがち。簡単にできる食べすぎ防止法が、外食前にヨーグルトを食べること。タンパク質をとることで“食欲抑制ホルモン”インクレチンが分泌され、食べすぎが抑えられます。また、血糖値の急上昇も抑えられ、太りにくくなります。小さめのカップ1個でOK。

 

<夜>

21:00  夜のティータイム

ノンカフェインの飲み物でリラックス

 

夜のティータイムには、活動系のホルモンを増やす作用があるカフェインが含まれるものは控え、ハーブティーなどノンカフェインのものを飲みましょう。緑茶の場合は水出しにすればカフェインが抽出されにくく、セロトニンを増やすテアニンという成分がとれるので、夜はこの方法で飲むのがおすすめ。

 

21:00〜  寝る準備

照明を暗めに

ホルモンを働かせるために照明を落として

21時以降はなるべく間接照明にしましょう。“睡眠ホルモン”メラトニンは明るいと分泌が抑えられてしまいますが、暗くなると分泌が促されます。スマホの放つブルーライトも、メラトニンの分泌を抑えるので、寝る時間が近づいたらスマホはできるだけ手放しましょう。

 

22:00 入浴

体を温めてリラックス

 

寝る1時間〜1時間半前にお風呂に入りましょう。ゆっくり湯船につかって下半身を温めることで、副交感神経が優位になり、セロトニンも増えます。深部体温をいったん上げることで、下がったときに眠気が訪れやすくなります。寝る前は、ストレッチをしたり、アロマテラピーをしたりとリラックスして過ごしましょう。

 

23:00〜24:00   就寝

真っ暗にして熟睡を

 

部屋を暗くするほどメラトニンの分泌が促されるので、寝るときは真っ暗にするのがおすすめ。りが深くなると、若々しさの維持に欠かせない成長ホルモンの分泌も促されます。また、睡眠不足になると、食欲を増やす“空腹ホルモン”グレリンが増え、ドカ食いしやすくなってしまうので、睡眠時間は7時間は確保するよう心がけて。

 

 

【教えていただいた方】

工藤孝文
工藤孝文さん
内科医・糖尿病内科・統合医療医・漢方医
Twitter

福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。帰国後は大学病院などを経て、現在は福岡県みやま市にある自身のクリニックにて地域医療に注力。専門は糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病、漢方治療、ダイエット治療など多岐にわたり、テレビ・ラジオなどのメディアで医療の最新情報を発信。著書に『「毎日疲れない」にいいこと 超大全』(宝島社)など多数。 工藤孝文先生 著書  

 

 

写真/Shutterstock 取材・文/和田美穂

 

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