肌診断の結果は…「肌年齢57歳」。実年齢よりプラス3歳の実情は?
東京・浅草にある【つちやファミリークリニック】には、皮膚科と美容皮膚科の両方を備えた、医療機関ならではの視点で肌悩みにアプローチできる環境が整っています。
この連載の第1回でも、私が肌診断を受けた最新AI肌診断機のNeoVoirⅠ(ネオ ヴォワールⅠ)が登場。今回は、私とは肌悩みのタイプが異なり、「普段から、毛穴の開きが気になっている」という、M川さん(54歳)が体験することに。

顔全体を3方向から撮影し、「未来のシワ」「隠れシミ」まで詳細にあぶり出してしまう、クリニックや医療機関向けの肌診断機「NeoVoirⅠ(ネオ ヴォワールⅠ )」がこちら!
*つちやクリニックでの肌診断(NeoVoirⅠ)価格は、1回につき¥2,200(+初診料¥3,300)=¥5,500(自費診療)

診断中のM川さん。AIがはじき出した肌年齢はいかに?
さて、54歳のM川さんの肌年齢は、【57歳】という結果に。土屋先生によると、厳しめの数値を出すという「NeoVoirⅠ(ネオ ヴォワールⅠ )」。実年齢よりも、8〜10歳プラスとなることも少なくないそう。この結果からわかったことは、何でしょうか?
土屋:M川さんはシワも比較的少なく、現状で大きなトラブルは少ないものの、毛穴やくすみが目立つ傾向にありました。特に、頬の内側あたりの毛穴は、年齢平均よりも開きが多く見られます。
M川:自分でも毛穴が気になっているんです…。

上が、M川さんの診断結果。「グレーのグラフがこの年代の平均値。そして黄色のグラフがM川さんの今回の測定値です。これで見るとやはり毛穴が、年齢平均よりも目立っているという結果になっています」(土屋先生)
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くすみと毛穴、その裏に「メラニンの蓄積」があった!
一見、肌表面には大きなトラブルが見えにくいM川さん。ところが肌の奥には、潜在的な問題が隠れていた模様。それはどんなことかというと…。
◎頬の毛穴の目立ち
◎鼻まわりの赤みと毛穴詰まり
◎目元・額・口まわりの色ムラ(くすみ)
などなど。
まずメインの毛穴問題ですが、このまま放置しておくと、どうなってしまうのでしょう?
土屋:年齢とともに皮膚が緩んでくると、毛穴は「縦に長く」なります。するとどうしても、毛穴が目立つようになってきてしまうんですよね。
M川:そうなんですね(涙)。

「画像で黒く写っている部分はメラニンの蓄積です。今は表面化していませんが、放っておくとシミとして出てくることもあります」(土屋先生)
土屋:気になるのは、上の写真にある、鼻の脇にある赤みが目立っている部分です。こうした部分の背景には、落とし切れていないメイク汚れ、皮脂・日焼け止めの詰まりが関係している可能性があります。
思わぬ盲点! 日焼け止め×クレンジングの“ちぐはぐ問題”
土屋:診断結果では、「皮脂も多め」と出ていて、混合肌となっていますね。普段、どのようなスキンケアを使っていますか?
M川:えーと…いろいろ選ぶのが面倒で、いつも買っているドラッグストアでそろう、某メーカー一択です…。
【M川さんの実際のスキンケア習慣】
◎クレンジング:ドラッグストアで購入したジェルタイプ
◎夜:化粧水+ナイトクリーム(顔全体に塗布)
◎朝:化粧水+日焼け止め(アウトドア用タイプ)+パウダーファンデーション
土屋:日焼け止めは、アウトドア対応の強力なタイプですね。こちらを顔にも、日常使いしているということになりますか?
M川:はい。強力そうなので、体も顔も、全部塗っています。そして、そのあとにファンデーションです。ファンデーションはパウダータイプです。
土屋:なるほど…。実はこの手の日焼け止めはウォータープルーフタイプなので、お使いのジェルタイプのクレンジングでは、落とし切れないことがあるんです。毛穴の詰まり状態から、オイルクレンジングに変えたほうがいいかもしれません。

つちやファミリークリニックの肌診断では、使っているスキンケアアイテムが今の肌に合っているかどうか、についても、カウンセリングをしてもらうことが可能です。
記事が続きます毛穴・くすみトラブルをケアするにはどうしたらいい?
土屋:それから、このナイトクリームは、毛穴の詰まりが改善するまでは鼻まわりには使わず、もう少し軽い乳液やジェルタイプのものにしたほうがいいかもしれませんね。
M川:いただきものだったので、うれしくてたくさん使っていました。あと日焼け止めも、情報番組を見て、「とにかく強力な日焼け止めを!」とすり込まれてしまったというか…。
土屋:50代を過ぎると、皮脂はあまり出なくなってきているはずなんです。なので、皮脂の数値も、毛穴の状態も、使っているアイテムの油分が落ちていない=「使っているアイテムに対して、落としているものが弱い」と言えると思います。日焼け止めも、顔専用のものなど、普段はもう少しマイルドなタイプに変えてもいいと思います。

土屋先生がM川さんにおすすめしたスキンケア(土屋先生のクリニックでも購入可能)。〈左〉コラージュリペアローション しっとり (医薬部外品)150mL¥2,970/持田ヘルスケア 〈右〉コラージュリペアミルク(医薬部外品)100mL¥3,300/持田ヘルスケア
土屋:写真のスキンケアアイテムは、トラネキサム酸入りの美白ケアで、メラニンの生成を抑える効果があり、メラニンの蓄積やくすみ対策におすすめですよ。また、毛穴の詰まり対策には、ピーリング成分入りのクレンジング・化粧水を、鼻やあごまわりに部分使いするといいでしょう。
M川:美容皮膚科の施術を受ける場合は、どんなメニューがおすすめですか?
土屋:定期的なピーリングやIPL(フォトフェイシャル)なども、たまったメラニンを排出する手助けになります。IPLは、前回、イオさんにもおすすめした施術ですが、参考にしてください。
数値で見えると、肌との向き合い方が変わる
肌の表面には出ていなくても、毛穴やメラニンの蓄積など、“未来の肌トラブルの種”が潜んでいることは多いそう。最新の肌診断を受けて初めて「今のケアが合っていないかも」「改善できるところがある」と、気づくケースも少なくありません。
M川:日焼け止めやクレンジングのことなど、正直自分ではちょっと自信があったので、現状を知ってびっくりしました。
土屋:肌悩みの原因がどこにあるかは、目で見るだけでは判断しにくいんです。自己流のケアが“逆効果”になっていることもありますから、一度、専門家のもとで肌を“可視化”してみることは、とても大切だと思います。
M川:数値で見ると、より自分事になるので、やる気も出ます! 見直せるポイントも肌診断ではっきりしたので、さっそく取り入れていきたいです!
※診療費、商品はすべて税込み価格
【教えていただいた方】

皮膚科専門医。東京都生まれ。東京医科大学医学部卒業。つちやファミリークリニック副院長などを経て現職。年間約3万人の患者の肌の悩みと向き合っている。新しい薬品や施術は、まずは「自ら試す!」がモットー。季節や生理周期に合わせたケアが得意で、肌そのものの力を信じ、トラブル無縁の赤ちゃん肌を目指す親切な診断が好評。肌への摩擦を少しでも軽減する「ミニマムスキンケア」を提唱。著書に『美容皮膚科医が試してわかった! 美肌・新常識33』(小学館)がある。
撮影/寺岡みゆき 取材・文/井尾淳子


