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長い「早口言葉」で息を長く使えば肺活量強化の訓練にも

少し歩いただけで息が上がるなど、最近、肺活量の低下を実感することはありませんか? 長い「早口言葉」をひと息で言う練習をすることで、肺活量の強化にも役立ちます。そんな息を長く使う、ロングブレス方法について、演技トレーナーの佐藤正文さんに伺いました。

横隔膜を少しずつ緩め「息をケチりながら」使う!

年齢とともに肺活量も低下します。それが疲労感や集中力の低下、呼吸器や体力の衰えなどにつながっていきます。もちろんウォーキングやランニングなどの有酸素運動が有効ですが、長い早口言葉を息継ぎなしでひと息で読む練習も役に立つといいます。

早口言葉 ロングブレス 長い早口言葉 ひと息で

「まずは、背すじを伸ばして姿勢をよくし、息をたくさん吸って吐く練習をします。一度息を吐き切り、次に息を鼻からゆっくり、横隔膜を緊張させて肺いっぱいに吸い込みます。そして、横隔膜を少しずつ緩め、息を出していきます。

 

口から一気に吸いすぎたり、吐くときに横隔膜を一度に脱力してしまうと、息はあっという間に出てしまい、そのあとを読み続けられなくなります。吸った息は大切に少しずつ使いましょう!

 

多少苦しくても、最後まで息を絞り出してください。そうすると、そのあと、空気は自然に大量に入ってきます。こうした息の吸い方、腹筋を使って細く長く吐く練習をしていくと、長い文章をひと息で読めるようになります」(佐藤正文さん)

 

息継ぎ禁止! ロングブレスにトライ!

「文章の意味を理解して、文節で短く区切り、内容がわかりやすいように読んでみましょう。ただし、その区切りで息つぎをせずに、最後までひと息で読むことが大切です。

 

わかりやすくしようと、長めの文章を読点ごとに切って読む人がいますが、逆にわかりづらくなっているケースがあります。文章は適当な大きさの塊にして、意味をわかりやすくしなければなりません」

 

【早口言葉】

たとえ世間から忘れられようとも 子どもたちの立派な行動を  私は決して忘れません  難易度★☆☆

子どもたちはどんな行動をしたのでしょうか? そんなことも想像しながら、ナレーターになった気分で読んでみて!

 

「難関は『忘れられようとも』、『立派な行動を』、『私は決して』あたりでしょうか? 最初は早く言おうとしなくていいので、口と舌をしっかり使って、はっきりと発音してみてください。慣れてきたら、徐々に早くしていきます」

 

記事が続きます

 

【早口言葉】

早口言葉 長い言葉 ロングブレス

真冬の寒さから一転 初夏を思わせる 汗ばむ陽気となるなど 激しい気候の変化が 繰り返されています  難易度★★☆

 

異常な積雪、夏の猛暑、局地的な大雨、暴風など…。最近の世界的に広がる異常気象を考えると、こんなことも十分に考えられますね。ニュースを読むアナウンサーだったらどのように読むだろうか? なりきってどうぞ!

 

「口の奥のほうで読むと、音にならない息がたくさん混ざって、長く続けて読むことが難しくなりがちです。逆に、口の前のほうで読むと硬めの音で読みやすく、長く続けて読むことができるようです。

 

これは結構長い文章なので、ひと息では難しいでしょうか? 最初からひと息が難しいようなら、途中で息継ぎをしてもかまいません。それよりも、文章の意味を考えながら、相手に内容を正確に伝えるように、一語一語をきちんと発音することを優先して、慣れてきたらひと息で読んでみましょう。

 

また、文章を読んでいる途中で切ると、多くの人はそこで思わず息継ぎしてしまいます。息継ぎをすると息が変わるので、音色も変わってしまいます。意図しないのに音色が変化するのは問題です。切るけれど息継ぎはせず、音色を変えない技術を身につけましょう」

 

【教えていただいた方】

佐藤正文
佐藤正文さん
演技トレーナー、演出家、俳優

1970年、桐朋学園大学演劇専攻科卒業。劇団 俳優座、安部公房スタジオを経て日本大学芸術学部非常勤講師、尚美学園大学客員教授。大手芸能プロダクションで演技レッスンを担当し、多数の俳優を育成。ほか、アマチュア劇団や朗読サー クルなどで、高齢者を含め約5000人を指導。トレーニングのひとつとして「早口言葉」を取り入れている。共著に『「早口ことば」で認知症予防』(ART NEXT)など。

 

協力/『「早口ことば」で認知症予防』(ART NEXT)

早口ことばで認知症予防 書影

 

イラスト/midorichan   取材・文/山村浩子

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