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【脱!昭和の健康常識】「脳が疲れたら甘いもの」の時代は終わった!——甘いものより脳が冴える新常識

「集中力が切れた」「頭が回らない」と感じるたび、つい甘いものに手が伸びる——そんな「脳のエネルギーは糖だけ」信仰、まだ続けていませんか? 実はもう、脳で使えるのは糖質だけではなかったことが明らかになっています。機能性医学の専門医、斎藤糧三先生が、頭の働きを支える令和時代のエネルギー補給法を伝授します。

「空腹時の甘いもの」信仰、そのウラ側

こんにちは。斎藤糧三です。
「機能性医学」を専門に、日本機能性医学研究所の所長を務め、表参道のクリニックで診療しています。

 

「脳が疲れたら甘いもの」。誰もが信じていた、その昭和の健康常識。もしかしてまだ信じている人がいたら、これには大きな落とし穴があること、ぜひ知ってほしいんです。

昭和の健康常識 脳が疲れたら甘いもの 血糖値スパイク OurAge

もしも空腹時に糖質たっぷりのお菓子や飲み物をとると、血糖値がぐーんと急上昇します。すると体は「危険だ! 血糖値を下げなくちゃ!」と反応し、すい臓からインスリンがドバドバ大量に分泌されます。

 

そのせいで、今度は血糖値が急降下! このジェットコースターのような状態がいわゆる「血糖値スパイク」です。

 

血糖値が急に下がったら、脳は「やっぱ糖分が足りないじゃん!」と感じてまた甘いものを欲してしまう。実際には体に糖質が必要なくても欲しくなり、仕事や勉強に集中したいのに、気づけば「お腹が空いた」「何か食べたい」が頭を占領してしまう…。

 

ここで欲求に負けて食べてしまえば、また血糖値を上げてしまう。はい、これで、血糖値スパイクによる負のスパイラルでの出来上がりです♪

 

脳が疲れてると感じたときこそ、甘いおやつに手が伸びるのをストップ。深呼吸して水を飲んだり、ナッツなど糖質がほとんど含まれない食べ物を少しつまむ程度にしてみてください。

 

「空腹のほうが頭がクリアになる」「むしろ集中できる」という体験談も少なくないんです。甘いものに頼らず、空腹時間をポジティブにとらえるのも、令和的「頭の働かせ方」だと思います。

 

ケトン体も脳のガソリン! その仕組みと最新サプリ

「脳のエネルギーは糖質だけ」。この常識、長い間、医学界でも信じられてきました。

 

でも、人間の体にはもともと、糖質が足りなくなると「脂肪を分解してケトン体を作り、それを脳や全身のエネルギーとして使う」という体の仕組みが備わっています。実際、ケトン体も脳の大切なガソリンだった。この事実がきちんと証明されたのは、ここ15年以内のことです。

 

私が2013年に「腹いっぱい肉を食べて1週間5㎏減!」というキャッチフレーズ付きでケトジェニックダイエットの本を出版した当時、一般の人はおろか医療従事者からも、「そんなことあるわけない!」と驚かれたものです。

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今では「糖だけじゃない、ケトン体も脳で使える」と、医学界の常識も大きくアップデートされました。

 

【Why “脳=糖”が常識だったの?】

脳には「血液脳関門」というバリアがあり、分子の大きな脂肪やタンパク質などは通れない。通れるのはブドウ糖だけ。そう考えられていました。そのため「糖=唯一の脳のエネルギー源」と思われてきたわけです。

 

【“ケトン体”という第2のエネルギーの発見】

ところが近年、脂肪が分解されると「ケトン体」という小さな分子が生まれ、それが血液脳関門を通過して脳のエネルギーになることが明らかになりました。実は、脳が使えるエネルギー源は「糖」と「ケトン体」のふたつだったということ!

ケトン体は脂肪やアミノ酸そのものとは違い、脳の関門をくぐれる特別な分子。しかも、脳だけでなく心臓や筋肉など全身のエネルギー源としても使える…、まさに「第2のエネルギー」だったんです。

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記事が続きます

【今は「ケトン体そのもの」をとる時代】

なんと、今では食べ物の工夫に頼らず、ケトン体そのもの(BHB:β-ヒドロキシ酪酸)をサプリメントとして補給できる時代になったんです。糖質制限やロカボ、断食(ファスティング)をしなくても、第2のエネルギーを手軽にとることができるということ!

 

「脳がぼんやり」「もうひと踏ん張りしたい」と感じたとき、甘いもの以外にも選択肢が広がっています。

 

以前は海外製のケトン体サプリばかりでしたけど、ここ数年で国内産の天然由来ケトン体ができまして。私も、その世界初の原料を使用したケトン体サプリメント【KETO SHOT(ケト・ショット)】という商品を今年作ったんです! 宣伝みたいになっちゃいますが、試してみたい方はぜひこちらで商品詳細を見てください

 

ポケットの飴とチョコ、昭和世代のエネルギー源

遠足や山登り、スキー場などに行くとき、必ず「おやつを持っていきなさい」と言われた昭和時代。ポケットには飴玉、リュックにはチョコレート。「いざというときにはカロリーの高いもの」「カロリー=命綱」という時代背景がありました。

 

現代はグミやプロテインバーなど多彩なお菓子が登場し、飴やチョコを持ち歩く子どもは少なくなりました。昭和のおやつ文化には、時代なりのサバイバルの知恵が詰まっていたんですね。

 

え? 大阪のおばちゃんの「飴ちゃん文化」は健在!?  あれはまた別。コミュニケーションツールということでしょう!

 

■まとめ■ 令和の常識はこれ!

昭和の常識:脳が疲れたら甘いもの

令和の常識:脳は「糖」だけじゃなく「ケトン体」もエネルギー源!

一時的な糖質チャージより、持続的なパフォーマンスを意識して、新しい「脳のエネルギー活用」を取り入れていこう。

 

 

【教えていただいた方】

斎藤糧三
斎藤糧三さん
医師/日本機能性医学研究所所長
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1973年生まれ。日本医科大学卒業後、産婦人科医に。その後、美容皮膚科治療、栄養療法、点滴療法、ホルモン療法を統合したトータルアンチエイジング理論を確立。2008年「日本機能性医学研究所」を設立(2009年に法人化)。2017年、スーパーフードとしての牧草牛(グラスフェッドビーフ)の普及を目指し、日本初の牧草牛専門精肉店「Saito Farm」をオープン。2022年、機能性医学と再生医療を融合させた治療拠点として「斎藤クリニック」を開設。著書に『サーファーに花粉症はいない』(小学館)、『糖質制限+肉食でケトン体回路を回し健康的に痩せる!ケトジェニックダイエット』(講談社)、『病気を遠ざける! 1日1回日光浴 日本人は知らないビタミンDの実力』(講談社+α新書)ほか多数。斎藤クリニックSaito Farm

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イラスト/小迎裕美子  取材・文・画像制作/蓮見則子

 

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