認知症は、発症の20年前ほど前から進行している…?
ブレイン(脳)ケアの第一人者 今野裕之先生によると、アルツハイマー病などによる主要な認知症の多くは、脳内に異常なたんぱく質(『ゴミ』)が溜まることが、発症の一因と考えられています。なんと、 溜まり始めるのは、発症の20年前ほど前からだそう。
例えば60代後半で認知症を発症した場合、40代ですでに進行が始まっていたということになります。知らぬ間に、認知症が忍び寄って来ているのかと思うと、恐怖しかありません!
でも、ここでみなさんに朗報です。現在、認知症に特効薬はありませんが、食生活を見直すことで、認知症のリスクを下げることが可能だと言うのです!(*1)
つまり、40代からのブレインケアが、かなり重要ということなのです。
さらにブレインケアは認知症予防だけでなく、ビジネスシーンにおけるパフォーマンスを最大限発揮するのにも重要です。
では、どのような食生活が、認知症リスクを招き寄せるのか? 私の食生活は大丈夫なのか!?
今野裕之先生が考案した食生活チェックリストで、認知症リスクを今すぐ点検しましょう。
認知症リスクを点検! 食生活チェックリスト
食生活を振り返って、あてはまるものにチェックをしましょう。
【A】
□食事は主食のみでおかずをほとんど食べない
□葉物野菜や柑橘類をほとんど食べない
□お酒を飲む機会が多い
□薬を常用している。人工透析を受けている
【B】
□砂糖の入った甘い菓子や飲み物をよくとる
□白米、パン、麺類を毎食食べる
□野菜や海藻、きのこをあまり食べない
□甘い果物をよく食べる(特に夜)
【C】
□発酵食品をあまり食べない
□揚げ物、炒め物をよく食べる
□ストレスを感じることが多い
□タバコを吸っている
【D】
□魚をあまり食べない
□肉、卵、豆類、乳製品をあまり食べない
□加工食品をよく食べる
□低カロリーを心がけている。食が細い
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食生活タイプ診断と認知症予防のためのアドバイス
チェックした項目が最も多かったグループが、あなたの食生活タイプになります。タイプごとの認知症予防のためのアドバイスをチェック!
【A】に一番チェックが多かった人~ビタミンB不足タイプ
ビタミンB群は、脳に有害なホモシステインの無害化する働きあり。お酒や腸内環境の悪化で失われやすい。一部の薬(胃薬、てんかん薬など)は、特定の栄養素の吸収を妨げることがある。不足には注意が必要。
【B】に一番チェックが多かった人~糖質過多タイプ
糖化は高血糖が原因。菓子類やご飯、パン、麺類の糖質の摂りすぎに注意。タンパク質や食物繊維と一緒に摂ることで糖質の吸収を穏やかにできる。
【C】に一番チェックが多かった人~酸化・炎症タイプ
ストレス、喫煙、過度な飲酒は、活性酸素を増やし、酸化・炎症を引き起こす。血糖値の急激な変動、高ホモシステイン血症、腸内環境の悪化も、同様に酸化・炎症の原因に。
【D】に一番チェックが多かった人~栄養不足タイプ
必須栄養素の不足が脳機能低下につながる。脳の機能維持には、神経細胞を構成するタンパク質、オメガ3系脂肪酸、神経伝達物質を合成するために必要なビタミンB群や鉄分、レシチンなど。
何を、どう食べたら良い!? 脳におすすめの食材
認知症リスクや食生活タイプ別はわかったけれど、では何を、どう食べたら良いのでしょうか? 今野先生に、脳におすすめの食材を教えていただきました。
抗炎症作用のある食べ物
・葉物野菜(ほうれん草やキャベツ、小松菜、レタス、ブロッコリーなど)
・しょうが、シナモン、クルクミン(ウコンに含まれる成分)
・オメガ3脂肪酸(DHA、EPA、αリノレン酸等)を含む、青魚やえごま油など
・ミツバチ産品のプロポリス~慢性的な炎症の抑制や、一部の認知機能指標の改善に繋がる(*2)
・緑茶
デトックスを促す食べ物(毒素を排出)
・アブラナ科の野菜(菜の花、ブロッコリー、キャベツ、大根など)
・エキストラバージンオリーブオイル
・にんにく、しょうが
・パクチー
・海藻

イメージ写真/Shutterstock
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食生活以外にも! 今すぐできるブレインケア習慣
OurAge世代では、毎日が忙しく食生活が乱れがちな方も多いと思います。
食生活のほかにも、ブレインケア方法はさまざま。
食事からは摂ることが難しいプロポリス配合サプリメントをうまく活用するのもよいですし、運動習慣や睡眠なども立派なブレインケアです。
生活習慣で、認知症リスクを遠ざけることが期待できます。
運動習慣なら、少なくとも週2~3日程度(一回あたり30分程度)の有酸素運動がおすすめ。さらに運動しながら頭を使うと、より効果的!
例えば…ウォーキングや踏み台昇降をしながら100から3を引き続ける計算をする!
睡眠は、1日7時間を目安にし、足りないときは午後3時までに30分以内のお昼寝を。
生活に賢く取り入れて、健やかな脳を維持しよう!
<教えてくれた方>

医療法人社団TLC 医療会 ブレインケアクリニック名誉院長
一般社団法人日本ブレインケア・認知症予防研究所所長 今野 裕之 先生
*1 Jack CR Jr. et al., Lancet Neurol. 2010を基に 40 代からの認知症リスク低減機構作成 https://40ninchi-risk.org/theme/theme-1/
*2 もの忘れが気になる方に | 山田養蜂場 健康科学研究所 https://www.bee-lab.jp/onayami/monowasure/index.html
取材・文/米田ねこ 取材協力/山田養蜂場


