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【脱!昭和の健康常識】「わかめで髪が増える」説を検証! 本当に髪によい栄養とは?

「わかめや昆布で髪が増える!」——誰もが一度は信じた、昭和の「髪あるある」。でも実際はどうなんでしょう? 機能性医学の専門医、斎藤糧三先生と、迷信のモヤモヤにいったん区切りをつけましょう。

なぜ広まった?「わかめで髪が増える」伝説

こんにちは。斎藤糧三です。
「機能性医学」を専門に、日本機能性医学研究所の所長を務め、表参道のクリニックで診療しています。

 

「わかめや昆布などの海藻を食べれば髪が増える」——この説、今も信じている人は多いでしょう? 実は昭和世代の「イメージ連鎖」から生まれた都市伝説。誰が最初に言い出したんでしょうね?

 

確かに、海藻は江戸時代の養毛薬にも使われていたようですが、科学的な根拠はなく、あくまで「雰囲気重視」のご利益。

 

近代になってもなお、「わかめや昆布=黒くて長い=黒髪=髪が増えそう」という4コマ漫画みたいなイメージの飛躍。

昭和の健康常識 ワカメを食べると髪が増える 育毛の常識 OurAge 斎藤糧三

さらに、1970〜80年代には「海藻エキス配合!」を売りにしたシャンプーやトニックが流行していました。まるで「わかめさえ食べたり使ったりすればフサフサ!」になる勢いで。

 

結局、拡大解釈がひとり歩きしただけで都市伝説が出来あがったのかもしれません。冷静に振り返ると、かなり自由な連想ゲームですよね。

 

海藻より大事!“髪を育てる”毎日のケアとバランス

海藻は健康にいい食品ですが、残念ながらそれで髪が増えたりツヤが出たり…、これを裏づける根拠はありません。

 

ずばり、「髪を増やす」ために大切なのは毎日の栄養バランスと正しいケア、生活習慣す!

 

私のクリニックでは機能性医学をベースにした頭皮再生治療(PRPや幹細胞など)のメニューも用意していますが、薄毛の原因は人それぞれ。

 

栄養はもちろん大切ですが、髪のためには睡眠・ストレス管理・頭皮ケアなど、どれも全部大事! 「外側と内側」の両方からアプローチするのが、健やかな髪を保つポイントです。

昭和の健康常識 ワカメを食べると髪が増える 髪を増やす方法 OurAge 斎藤糧三

ちなみに、私の開発した頭皮のホームケア用品に「DRS パープル スカルプセラム(頭皮ケア美容液)」というのがあるんですが、自分の頭皮で人体実験してつくりあげたもの。

 

ここだけの話、毎日左手でスプレーし、右手でマッサージをしていたら、なぜか右手の甲にだけ毛が生えてきたんですよ(笑)。

 

なにせ髪の悩みは男女共通。生活全体の見直しが、増毛サポートの裏ワザです。

 

記事が続きます

髪に必要なのは「タンパク質」「亜鉛」「ビタミン」

髪の主成分はタンパク質(ケラチン)。だから、毛髪づくりの基本は「しっかりタンパク質!」です。

 

「髪の元気=肉・魚・卵・豆も!」と思ってください。

 

実際、タンパク質や亜鉛の補給で髪の状態が改善した例は多数。特に近年は、女性のタンパク質不足がクローズアップされているので、「タンパク質を頑張ってたくさん食べるようにしていたら、髪の毛が増えたりツヤツヤになった」という女性もたくさんいます。

加えて、亜鉛・マグネシウム・ビタミン類も不可欠。亜鉛は髪の成長をサポートし、マグネシウムやビタミンは細胞の働きや代謝を助けるなど、どれも髪の材料・土台となる必須栄養素。

 

亜鉛が不足すると全体的に髪が薄くなることも多いもの。タンパク質不足やミネラル不足が髪のパワーダウンにつながる例も少なくありません。

 

バランスのよい食事、それが「髪の本当の味方」です。

昭和の健康常識 ワカメを食べると髪が増える 髪を増やす方法 OurAge 斎藤糧三

 

髪と頭皮を守るには「しっかり睡眠&ストレス管理」

最後にお伝えしたいのは、髪の健康に「睡眠とストレス管理」が不可欠ってこと。

 

睡眠不足やストレス満タンな生活で交感神経が優位なままだと、白髪も抜け毛も増えやすくなります。頭皮がカチカチに硬い状態だったり、脂肪が薄い状態では、髪も育ちにくいもの。

 

髪が元気に育つには、頭皮のやわらかさもひそかなポイントです。

■頭皮マッサージで血流をよくする
■バスタイムなどでリラックスを心がける
■なるべく夜更かししない
——そんなことをコツコツ続けてみてください。

 

■まとめ■ 令和の常識はこれ!

昭和の常識:わかめなどの海藻を食べると髪が増える

令和の常識:タンパク質&亜鉛+生活習慣が髪の味方!

髪を育てるには、タンパク質・亜鉛など髪の材料と栄養、内外からのケア+ストレス管理&睡眠のバランスが大事!イメージや迷信より、ちゃんと根拠のあるケアで未来の髪を守りましょう。

 

 

記事が続きます

【教えていただいた方】

斎藤糧三
斎藤糧三さん
医師/日本機能性医学研究所所長
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1973年生まれ。日本医科大学卒業後、産婦人科医に。その後、美容皮膚科治療、栄養療法、点滴療法、ホルモン療法を統合したトータルアンチエイジング理論を確立。2008年「日本機能性医学研究所」を設立(2009年に法人化)。2017年、スーパーフードとしての牧草牛(グラスフェッドビーフ)の普及を目指し、日本初の牧草牛専門精肉店「Saito Farm」をオープン。2022年、機能性医学と再生医療を融合させた治療拠点として「斎藤クリニック」を開設。著書に『サーファーに花粉症はいない』(小学館)、『糖質制限+肉食でケトン体回路を回し健康的に痩せる!ケトジェニックダイエット』(講談社)、『病気を遠ざける! 1日1回日光浴 日本人は知らないビタミンDの実力』(講談社+α新書)ほか多数。斎藤クリニックSaito Farm

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イラスト/小迎裕美子  取材・文・画像制作/蓮見則子

 

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