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【保存版】歯周病、歯ぐきセルフケアの“あるあるQ&A”

歯周病ケアの要は、毎日のセルフケア。正しい歯磨きはもちろん、フロスやマウスウォッシュ…道具や方法はどれが正解? 迷いがちな日々のセルフケアについて、歯科医師・塚原妹美先生がQ&A形式で本音トーク。歯と歯ぐきの悩みや疑問、ケアのヒントがきっと見つかります。

セルフケア迷子さん、ここで一緒に解決!

「ちゃんと磨いているつもりなのに、なぜか歯ぐきが…」。毎日のセルフケア、どこかで不安やモヤモヤを感じていませんか? 今さら聞けない素朴なギモンに、歯科医師・塚原妹美先生がわかりやすく答えていきます。

 

Q1. 歯ぐきが下がってきた気がしますが、セルフケアで戻りますか?

A. 歯ぐきが下がる原因はいろいろ。早めの対処が大切です。

歯ぐきが下がってきた…、それは歯周病のサインかもしれません。でも、下がる理由は歯周病だけじゃなく、磨きすぎ・強すぎ・歯ぎしり・加齢などさまざまです。

 

軽い場合は、歯ブラシの当て方や力加減を見直すことで進行を止めたり、少し戻せることもあります。ただし、歯周病が進んでいる場合は元通りにするのは難しいことも。

 

「下がったかも?」と気づいたら、放置せず、早めに歯科医院で診てもらうのが安心です。

 

Q2. デンタルフロスを使ってみたいけれど、ハードル高い。難しそう

A. 応用の利く「ロールタイプ」からトライ!

指に巻きつけて使うロールタイプのフロスがどの場所にも通しやすく、細かく動かせるのでおすすめです。

 

最初はちょっと難しく感じるかもしれませんが、慣れれば「これじゃなきゃ!」というくらい使いやすくなりますよ。奥歯の間も上手に届かせるコツ、イラストを参考にやってみてください。

歯周病 フロスの使い方  デンタルフロス OurAge

どうしても難しい場合や、うまくできない方はホルダー付き(Y字・F字)タイプでもOK。「続けること」が何より大切です。

 

Q3. おやつや飲み物のあとも、毎回歯磨きが必要?

A. 毎回磨く必要はありませんが、食べたものによってケアを変えて

食事以外に食べたり飲んだりしたあと、必ず歯磨きしなきゃ、と神経質になる必要はありません。

 

ただし、パンやベーグル、クッキー、もちもちしたものや飴、チョコなど、糖質が高くて口に残りやすいものを食べた後は、できるだけ磨いてください。

 

飲み物だけなら、うがいでも十分です。コーヒーや紅茶、麦茶はステイン(着色汚れ)がつきやすいので、飲んだあとは口をゆすぐだけでも効果的。

 

気をつけたいのは「ダラダラ食べ」の人。仕事中や移動中など、いつも何か食べたり飴をなめたりしていると、口の中がずっと酸性になり、再石灰化(自然な修復作用)が働かなくなるので要注意!

 

記事が続きます

Q4. 歯周ポケットが深いと言われました。浅くすることはできますか?

A. 初期なら浅くできる、進行時は治療が必要に。

 

歯周ポケットは「歯と歯ぐきの隙間」が炎症で深くなった状態です。初期の歯肉炎なら正しいセルフケアとクリーニングで改善し、ポケットも浅くなります。

 

ただ、歯周病が進行して歯ぐきや骨が失われてしまった場合は、自然には元に戻りません。

 

歯周ポケットの深さは、健康な歯ぐきは1〜3mmが目安。深さ4mm以上ある場合は、セルフケアだけでなく歯科医院での治療も必要になります。

 

Q5. 昼、職場での歯磨きが難しいので、マウスウォッシュだけでもいいですか?

A. マウスウォッシュだけでも効果あり! 

 

何もやらないよりは、マウスウォッシュやうがいで口の中をリセットするだけでも十分効果があります。

 

それも難しければ、キシリトールガムを噛んで唾液をしっかり出すのもおすすめです。キシリトールは天然に存在する「糖アルコール」という糖質の一種で、虫歯や歯周病予防に効果的な成分。歯と歯ぐきによい甘味料です。

 

Q6. 歯ぐきが腫れていたり、出血した日はどうケアすれば?

A. 腫れや出血がある日は“特別モード”。優しいケアに切り替えて。

 

いつもの歯磨きはいったんお休みして、柔らかい歯ブラシを使い、力を入れずに優しく当ててください。歯磨き粉は研磨剤の少ないタイプが理想。炎症を抑える成分入りの洗口液を使うのもおすすめです。

 

どうしても痛みが強くて磨けないときは、無理せず洗口液だけでもOK。できる範囲でお口を清潔に保つことを忘れずに。

 

Q7. いまいち、ワンタフトブラシの使い方が分かりません。

A. 「掃除機のノズル」感覚で、ピンポイント磨きに使ってみて。

 

ワンタフトブラシは、普通の歯ブラシでは届きにくい奥歯の裏や、歯並びが悪く歯が重なっているところ、矯正のワイヤーまわりなど「スポット磨き」専用のアイテムです。

 

部屋の掃除でいうと、掃除機のヘッドを細いノズルに替えて使うのと同じ発想ですね。

 

誰にでも必須というわけではありませんが、「歯ブラシ1本じゃ届かない」「磨き残しが気になる」と感じる人は、補助的に使うと便利です。

 

まずは歯ブラシ1本で100%磨くことを目指して、どうしても…という部分があればワンタフトブラシをプラスしてみてください。

歯周病 ワンタフトブラシ タフトブラシの使い方  OurAge

 

記事が続きます

Q8. ジェットウォッシャー(口腔洗浄器)は、それだけでOK?

A. サポート専用。歯磨き&フロスの代わりにはなりません!

 

ジェットウォッシャーは、歯間や歯周ポケットの食べカス・歯垢(プラーク)を落とすのにサポートとして使うもの。水流の力で歯間の汚れを除去します。

 

気持ちよさは抜群ですが、あくまでサポートアイテムと心得て。水流で歯間やポケットの汚れをさっと飛ばせても、しっかり落とし切るにはやっぱり歯ブラシ&フロスが基本です。

 

また、水圧が強すぎると歯ぐきを傷めてしまうこともあるので、使うなら「歯磨きのあと」や「どうしてもフロスが難しいときの補助」として上手に使ってください。

 

「気持ちいいからコレだけ!」は避けてくださいね。

 

 

【教えていただいた方】

塚原妹美
塚原妹美さん
歯科医師
公式サイトを見る

歯学博士(再生医療)。医療法人社団宏礼会 塚原デンタルクリニック勤務。医療法人社団宏礼会 行徳TM歯科院長。歯科衛生士学校で講師を務めたり、新聞でコラムを担当するなど、歯科医院へ行くことの重要性を訴える歯科医師。 塚原デンタルクリニック 行徳TM歯科

 

イラスト/内藤しなこ   取材・文/蓮見則子

 

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