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【脱!昭和の健康常識】「和菓子はヘルシーで太らない」はウソ? 洋菓子より太る落とし穴

「洋菓子はカロリーが高いから太る、和菓子のほうがヘルシー」。この昭和の健康神話、まだ信じていませんか? 機能性医学の専門医、斎藤糧三先生が、「和菓子vs.洋菓子」や「和食vs.洋食」の真実を、血糖値と体の反応という観点からアップデートします。

「和菓子はヘルシー」信仰、そのワナにご用心!

こんにちは。斎藤糧三です。
「機能性医学」を専門に、日本機能性医学研究所の所長を務め、表参道のクリニックで診療しています。

 

和菓子=ヘルシー、洋菓子=太る——そんな話、今でもよく耳にしますよね。和菓子は脂肪分が少なくてカロリー控えめ、洋菓子はバターやクリームでカロリー高めだから?

 

でも実は、「カロリーが低い=太らない」なんて単純なことじゃありません。

 

ポイントは、血糖値の波!

和菓子のような「糖質オンリー」のおやつを食べると、血糖値がグンと急上昇。その後インスリンが大量に出て急降下します。昭和の健康常識 OurAge 斎藤糧三 血糖値 和菓子と洋菓子 ダイエット

このジェットコースター状態が、「食べてもまた食べたくなる」おやつループの元凶。満足したのに、なぜかまた甘いものが欲しくなるあなた…。

 

それ、血糖値の急上昇&急降下、いわゆる「血糖値スパイク」のサインです。

 

人類の体は「サバイバル仕様」のまま。だから太る!

私たちの体の仕組みは、実はまだ狩猟採集時代のまま。農耕生活が始まる前の「めったに甘いものが手に入らない」サバイバル仕様のままなんです。

 

考えてみてください。昔の人たちは狩りや木の実を探して食べていたので「糖」は超レアなごちそう

 

 

たまに糖が体に入って血糖値が上がると、体は「今こそエネルギー貯金のチャンス!」と判断。ここで働くのが「インスリン」というホルモンです。

 

インスリンは血糖値を下げる=糖を消す、のではなく、血液中の糖を「今すぐ使う分」と「脂肪として保存する分」に振り分けて、しっかり体にため込むのが役割。

 

「血糖値が上がる」→「インスリンが出る」→「余った糖は脂肪に変身!」ということ。

昭和の健康常識 狩猟時代 血糖値 斎藤糧三 OurAge

ところが現代は、毎日いつでも好きなだけご飯や甘いものなどの糖がとれる時代。なのに体の仕組みは昔のまま。

 

「血糖値が急上昇!チャンスだぞ〜」と、体が勝手にインスリンをどんどん出してしまう。その結果、余分な糖が脂肪としてため込まれる。つまり太るというわけです。

 

だからこそカロリーの話よりも、血糖値の波をどうコントロールするかが、ダイエットのカギ!

記事が続きます

 

油断大敵!和菓子で血糖値スパイク

団子やおはぎ、大福…、脂肪分が少ない和菓子は一見、太りにくそうに見えますが、和菓子の主成分は砂糖や小豆、米粉、白玉粉など糖質オンパレード

 

どれも血糖値が一気に跳ね上がる「直球型おやつ」です。血糖値の乱高下で「また食べたい」「止まらない」——そんなおやつループの原因に。

 

いくらカロリー控えめでも、血糖値スパイクを繰り返すと、インスリンがどんどん脂肪をため込みます。これぞ「和菓子のワナ」。

昭和の健康常識 和菓子と洋菓子どっちが太る 血糖値 斎藤糧三 OurAge

 

脂質だけでは血糖値は上がらない!

もうわかりましたね。「洋菓子より和菓子が安心」…これは、血糖値的には大間違い。和菓子は脂質が少なく糖質オンリーだから、食べると血糖値がぐんぐん上昇しやすい

 

一方、ケーキやプリンなどの洋菓子はバターや生クリームなどの脂質を多く使うため、糖の吸収が緩やか=血糖値スパイクが起きにくいものです。

 

脂質だけでは血糖値はほとんど上がらないので、「脂質=太る」というイメージはもうアップデートしなきゃなりません!

 

ただし、ここで要注意!
「糖を控え、脂質ばかりとるのがいい」と、バターやオイルを大量にとるのはNGです。

 

脂質のとりすぎは、腸の炎症や生活習慣病リスクの増加など、別の落とし穴が待っています。一時期流行した「バターコーヒー」や、「オイルファースト信仰」も、やりすぎは禁物

 

和も洋も、「血糖値の波」と「適量」を意識して楽しむ。——これが現代の賢い食べ方! 何事もバランスが一番です。

 

記事が続きます

「和食=ヘルシー」も思い込み! 和食の弱点「隠れ糖質」

和菓子vs.洋菓子に限ったことではありません。洋食より和食が絶対によいわけではないんです

 

和食の短所は、糖質・塩分過多&脂質・タンパク質不足

 

どうしてもみりんや砂糖など、糖質を多用した味つけです。

 

和食は見えない糖質のオンパレード。煮物がいい例ですが、和食の調理には砂糖、みりん、日本酒など、糖質の高い調味料が多用されています。見た目にはわからない「隠れ糖質」がすごく多い。

昭和の健康常識 和菓子も和食も血糖値を上げやすい OurAge 斎藤糧三

そこに主食でお米をたっぷり食べたら、脂質の多い洋食よりも血糖値は急上昇します!

 

血糖値の波を緩やかにする「食べ方・組み合わせ・適量」が、令和のスマートな食選びです。

 

 

■まとめ■ 令和の常識はこれ!

昭和の常識:和菓子はヘルシーで太らない、洋菓子はカロリーが高くて太る

令和の常識:和・洋より「血糖値の波」をコントロール!

食べる内容・タイミング・組み合わせ次第で、「太りにくい食生活」の新常識を実践しよう。

 

 

【教えていただいた方】

斎藤糧三
斎藤糧三さん
医師/日本機能性医学研究所所長
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1973年生まれ。日本医科大学卒業後、産婦人科医に。その後、美容皮膚科治療、栄養療法、点滴療法、ホルモン療法を統合したトータルアンチエイジング理論を確立。2008年「日本機能性医学研究所」を設立(2009年に法人化)。2017年、スーパーフードとしての牧草牛(グラスフェッドビーフ)の普及を目指し、日本初の牧草牛専門精肉店「Saito Farm」をオープン。2022年、機能性医学と再生医療を融合させた治療拠点として「斎藤クリニック」を開設。著書に『サーファーに花粉症はいない』(小学館)、『糖質制限+肉食でケトン体回路を回し健康的に痩せる!ケトジェニックダイエット』(講談社)、『病気を遠ざける! 1日1回日光浴 日本人は知らないビタミンDの実力』(講談社+α新書)ほか多数。斎藤クリニックSaito Farm

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イラスト/小迎裕美子  取材・文・画像制作/蓮見則子

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